更新日: 2024.08.22 贈与
祖父母が高校生の孫のために貯めた「200万円」。大学費用にしたいと思っていますが「塾代」など入学前に支払ってもらったほうが節税になりますか?
そこで本記事では、大学の学費のために「200万円」を事前に貯めてもらったケースで、入学後に一括で渡すもしくは入学前も含めて分割するほうがよいのか確認してみました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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入学時に「一括」と前後で「分割」。どちらがお得?
結論、税金面では「一括」も「分割」も変わりない可能性が高いです。なぜならどちらの場合も非課税になり得るからです。一括では、直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度により、1500万円まで非課税となります。分割では年間の贈与額が110万円まで控除されます。
つまり一括、分割どちらで受け取っても200万円という金額を税金がかからずに受け取ることができます。ただし注意点としては、直系尊属から教育資金の一括贈与では教育資金非課税申告書等の書類の提出が必要で、分割の場合は複数年に渡ると計画的とみなされ税金がかかる可能性もゼロではないということです。
税金にかかる問題は以上ですが、大学の進学や塾・予備校にかかるお金には、ほかにも注意点があります。
考えるべきは税金だけじゃない! お金の渡し方・受け取り方のポイントは?
進学にかかるお金について考える点は、税金だけではありません。進学先をよく下調べすることやお金の受け取り方も重要です。本項では、その内容を紹介します。
大学や塾、予備校の分割払いに手数料がかかる場合がある
大学や塾、予備校では学費について提携ローンを準備している場合があります。この場合、分割払いにより手数料が発生するので、一括払いよりも学費の総支払額が高額になってしまいます。
せっかく非課税で200万円を受け取れる可能性が高いので、今後、進学のために塾や予備校に通うのであれば、遠慮なく贈与を受け、最も手数料がかからない支払い方法を模索するべきです。そして、大学に関しても同様で志望校が定まってきたら、学費の支払い方法にも着目し下調べする必要があるでしょう。
渡し方・受け取り方、支払いも配慮して
お金の受け渡し・支払いも重要なポイントです。学費ではなく遊興費に充ててしまうと、非課税の対象外となる可能性があります。
今回は貯めた200万円を実の祖母から受け取り、学費に充てる計画ですが、直接孫に渡してしまうと、学業以外の用途で使用してしまうことがあるかもしれません。そのため、しっかり学費の納期に合わせて相談者さん自身が受け取り、直接支払うべきでしょう。
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まとめ
税金面では一括・分割に大きな違いはないものの、支払い方法によっては手数料が発生し総合的な学費が高くなる可能性があります。せっかく非課税で進学に係るお金を受けられるのですから、可能なかぎり手数料を抑えることが進学におけるお金の重要なポイントです。
出典
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税
国税庁 祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー