更新日: 2024.08.31 贈与
息子へ毎月「10万円」の仕送りをしています。仕送りなら年間「110万円」を超えていても税金はとられないですよね?
仕送りをする際は、子どもに使用用途などを伝えておきましょう。今回は、仕送りの平均額や課税対象になる可能性などについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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仕送りは平均いくら?
株式会社AlbaLinkが令和5年に行った「子どもへの仕送り」に関するアンケートによると、親が子どもへ仕送りしている平均金額は月に7万7350円でした。ボリュームゾーン別に見ると、5万円超~10万円以内が56.7%と最も多い結果のため、月に10万円の仕送りは平均に近い金額といえるでしょう。
なお、仕送りを送る目的としては「食費」が最も多く、次いで「家賃」でした。また、金額の決め方は「親子で相談した」と回答している方の割合が最も高い結果です。
結果から分かるように、仕送りの多くは生活費のために使われています。「10万円」の金額で子どもが生活できているか定期的に確認し、必要に応じて金額を変更した方がよいケースもあるでしょう。
仕送りも課税対象になる?
基本的に、通常の日常生活に必要な範囲内であれば仕送りは課税対象にはならないと考えられます。国税庁によると、贈与されても税金のかからないもののひとつに「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」が挙げられているからです。
仕送りは、子どもが勉強や生活をしていくためのお金なので、こちらに該当する可能性があります。ただし、仕送りでも場合によっては課税対象になり得るケースがあります。
もし、贈与税の課税対象と判断され、金額が1年間で110万円を超えていれば税金が発生するでしょう。
高額すぎる仕送りをした
仕送りが非課税になるのは、通常必要と認められる範囲です。月10万円程度なら問題ない可能性がありますが、例えば月に100万円の仕送りをすれば、必要以上に送っていると判断されて課税対象になる場合もあります。
生活費として高額すぎるとみなされないためには、子どもの食費や光熱費、学費を計算したうえで金額を決めましょう。
また、仕送りを送る際に避けたいことが「数ヶ月分をまとめて送ること」です。1ヶ月分では問題なくとも、1年分120万円をまとめて送金すると非課税の仕送りとはみなされない可能性があります。
子どもが株式投資などに仕送り分のお金を使用した
仕送りが非課税となるもうひとつの条件は「生活費や教育費のための使用」です。親は生活費や学費のためのつもりでいても、子どもが受け取ったお金を株式投資などに使用していると条件に該当せず、贈与税の課税対象になる可能性があります。
国税庁でも、非課税対象となる条件として「生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます」としており、株式投資などに仕送りを使用していると、税務署から指摘される可能性があるでしょう。
仕送りをする際は、生活費や学費以外では使わないように伝える必要があります。仕送りのお金と子どもが自分で稼いだお金が混ざらないようにするため、口座を分けておくことがおすすめです。
仕送りを使っていない
目的外の使用だけでなく、受け取った仕送りを使わずに預金することも贈与税の対象になるケースがあります。国税庁でも「預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります」と明記しているため、仕送りは貯金に回さず生活や学業のために使用しましょう。
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生活費や教育費として必要な範囲であれば仕送りは贈与税の対象にならない
国税庁では、親から子どもに対する生活費や教育費のための贈与で、通常必要と認められるものは非課税とされています。そのため、必要な金額の範囲内であれば、仕送りも課税対象にはなりません。今回参照したアンケートによると、仕送りの平均額は7万7350円のため、10万円の仕送りも平均的な金額の範囲といえるでしょう。
ただし、1年分をまとめて送ったり、子どもが生活や学業以外に仕送りを使用したり預金をしたりすると、贈与税の課税対象になるケースもあります。しっかりと使用用途について伝えてから、必要な金額を仕送り用の口座に送るとよいでしょう。
出典
株式会社AlbaLink 訳あり物件買取プロ 【子どもへの仕送りの平均額や使い道は?】親御さん180人にアンケート調査
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー