親が亡くなり口座が凍結されたので、公共料金の引き落としができないと思うのですが、娘の私が手続き・支払いをするのでしょうか?

配信日: 2024.12.13

この記事は約 4 分で読めます。
親が亡くなり口座が凍結されたので、公共料金の引き落としができないと思うのですが、娘の私が手続き・支払いをするのでしょうか?
親が亡くなったAさん。親の口座は凍結されているので、実家の公共料金の引き落としができないだろうとのことです。このような場合、Aさんが手続きをして未納分の支払いをするべきなのでしょうか?
 
本記事では、親が亡くなったときの口座凍結と、各種引き落としについて解説します。
植田周司

執筆者:植田周司(うえだ しゅうじ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、円満相続遺言支援士(R)

外資系IT企業を経て、FPとして「PCとFPオフィス植田」を起業。独立系のFPとして常に相談者の利益と希望を最優先に考え、ライフプランをご提案します。
お客様に「相談して良かった」と言っていただけるよう、日々努力しています。

親が亡くなったら銀行口座は凍結される

人が亡くなると、その方の銀行口座は凍結されます。これは、故人の預金を相続人で分配するためや、不正な引き出しを防ぐための措置です。そのため、たとえ家族であっても、原則として故人の口座からお金を引き出すことはできません。
 

公共料金は誰が支払う?

公共料金とは、一般的に生活に必須とされるさまざまな基本的なサービスに対して支払われる料金のことを指します。具体的には、水道料金、電気料金、ガス料金、通信費(電話やインターネット)、NHKの受信料などが含まれます。
 
これらの料金は地域の自治体や企業が提供するサービスを維持・運営するために必要であり、生活を営むために欠かせないものです。多くの場合、銀行口座からの引き落としや、クレジットカードで支払いを行っています。
 
故人が生前に使用していた水道、電気、ガスなどの公共料金は、「相続債務」の一つに該当します。相続債務とは、故人が亡くなった時点で残っていた借金や未払い料金などの債務のことです。相続人は、相続放棄をしないかぎり故人の財産だけでなく、これらの債務も引き継ぐことになります。
 
今回のケースでは、相続人がAさん1人の場合はAさんが支払います。また相続人が複数人の場合は、代表者を決めてその方がいったん支払い、遺産分割協議で清算することになります。
 

【PR】「相続の手続き何にからやれば...」それならプロにおまかせ!年間7万件突破まずは無料診断

公共料金の支払い方法

公共料金の支払いは、故人の口座からの引き落としができないため、以下のいずれかの方法をとることになります。預貯金の仮払い制度を利用してそこから支払うことも可能ですが、戸籍謄本や印鑑証明書など必要な書類が多いため、公共料金のような少額であれば、いったん立て替えておくのがよいでしょう。


1. 相続人名義の口座からの引き落としに変更する
2. 相続人がコンビニや銀行などで現金払いをする
3. 相続人のクレジットカード払いをする

どの方法を選択するかは、各公共料金会社に問い合わせて手続きを行う必要があります。
 

解約手続きも忘れずに

故人がひとり暮らしだった場合、引き続き実家を利用するのでないかぎり、公共料金の解約手続きも必要です。解約手続きは各公共料金会社に連絡し、故人の死亡を証明する書類などを提出することで行うことができます。
 

1. 各公共料金会社への連絡

まずは、故人が契約していた電力会社、ガス会社、水道局などに連絡し、死亡の報告と今後の支払い方法や解約について相談しましょう。この際、故人の名前、住所、契約番号、死亡日などを伝えます。
 

2. 名義変更・支払い方法の変更

引き続きサービスを利用する場合は、相続人名義の口座からの引き落としに変更するか、他の支払い方法を選択する手続きを行います。
 

3. 解約手続き

サービスを解約する場合は、解約手続きを行います。解約に必要な書類や、最終的な請求書の送付先などを確認しましょう。
 
故人がNHKの受信料を年払いしていた場合は、解約により残りの期間分が返金されます。「解約を受理した月以降の分を返金」となっているため、速やかに連絡しましょう。詳細はNHKに確認してください。
 

預金通帳とカードの利用明細の確認も忘れずに

公共料金だけでなく、銀行口座から自動引き落としになっているものや、クレジットカードの年会費等も確認が必要です。預金通帳で過去1年程度の取引明細やカードの利用明細を確認し、不明な引き落としや利用がないか確認しましょう。クレジットカード自体の解約も必要です。
 

まとめ

親が亡くなり、口座が凍結されると、公共料金の支払い方法に影響が及びます。このような場合、契約情報を把握し、未納分については相続財産から支払うことを基本に、支払い方法や名義変更の手続きを迅速に行うことが重要です。
 
また、実際に使用しないサービスに関しては、解約することで費用の無駄を省くことができます。適切な手続きを踏むことで、スムーズに支払いと管理を進めることができるでしょう。
 
手続きは各公共料金会社によって異なる場合があるため、まずは連絡をとり、必要な手続きを確認しましょう。
 
執筆者:植田周司
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、円満相続遺言支援士(R)

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集