車好きの父から「メルセデス・ベンツ」の「Vクラス」を譲ってもらったのですが「贈与税」は発生するでしょうか? 親子で使えば「贈与」にならないでしょうか?
配信日: 2024.12.21
本記事では親子間の車の譲渡における贈与税のルールについて解説し、発生条件や回避する方法を、具体例を交えて説明します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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車を親子間で譲渡する際の贈与税の基本ルール
車を親子間で譲渡する場合、原則として贈与税の課税対象となる可能性があります。贈与税は、親が子どもに財産を無償で譲渡した場合に課される税金です。この際、車の価値(一般的には時価相当額)を基準に贈与額が計算されます。
ただし、年間110万円の基礎控除が適用されるため、この控除額を超える部分にのみ課税されます。特に高額な車を譲渡する場合や譲渡後の名義変更を伴う場合には、税務署が贈与とみなす可能性が高まるため、単なる名義変更ではなく、譲渡の目的や内容をしっかり確認しておくことが重要です。
贈与税が発生する条件と注意点
親子間で車を譲渡する際、一定の条件を満たした場合に贈与税が発生します。
まずは、車両の価値が年間110万円の基礎控除を超える場合です。例えば、高級車や新車の場合、譲渡額が高額になる恐れがあります。日常生活に必要、通学に使用するなどの場合には贈与税が発生しないケースもありますが、メルセデス・ベンツのような高級車の場合は必要最低限の車両ではないため、課税される点に注意が必要です。
次に、親から子どもに車両が無償で引き渡される場合、または譲渡価格が実際の市場価格よりも大幅に低い場合に贈与税が発生します。なぜなら、税務署が経済的利益が移転したと判断するためです。また、贈与を証明する契約書などの文書が不足している場合、後日課税の対象となるリスクがあります。
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贈与税を回避するための方法
車両の価値が110万円以下である場合、その範囲内で譲渡することで贈与税を回避できます。しかし、新車を購入した場合には車の価値を110万円以下に抑えることは困難です。このような場合には、一定期間父親が利用することで「新古車」として扱われるため、車の価値が下がりやすくなります。
また、車を実際の時価で売買する形にするのもおすすめです。例えば、子どもが親から車を購入し、その代金を支払うことで、贈与ではなく売買とみなされます。
さらに、親から子どもに資金を貸し付け、その資金で車を購入する方法もあります。この場合、貸付契約を明確にし、返済実績を残すことが重要です。さらに、共有名義での車両購入の場合も、名義や負担割合を明確にすることで贈与税のリスクを軽減できます。
名義変更時の手続きと注意事項
親子間で車両を譲渡する際は、名義変更をしなければなりません。名義変更には、譲渡証明書、車検証、印鑑証明書などの書類が必要になります。
これらの手続きが適切に行われない場合、後々トラブルになる可能性があるでしょう。名義変更が行われた場合、税務署に贈与の疑いを持たれることがありますが、適切な契約書や売買記録があれば税務リスクを回避できます。
また、自動車税や保険契約の名義も忘れずに変更することが必要です。これを怠り、旧名義人と新所有者の車両トラブルに巻き込まれないよう注意してください。
贈与税の申告と課税回避の重要性
親子間での車の譲渡に伴い贈与税が発生した場合、申告が必要です。贈与税は、翌年3月15日までに所轄の税務署で申告・納付を行わなければなりません。申告が漏れた場合、延滞税や加算税が課されるリスクがあり、注意が必要です。
一方で、売買契約を適切に締結する、または基礎控除内に収めるといった方法を選ぶことで、税負担を回避できます。計画と手続きを適切に行い、税務上のリスクを最小限に抑えましょう。より詳細な内容を知りたい場合には、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
出典
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー