16歳と20歳の孫に「200万円ずつ」贈りたいと考えています。年齢で税率が変わると聞いたのですが、2人とも成人するまで待った方がよいでしょうか?
配信日: 2025.01.16
また、課税されない項目を利用して送金することも手段のひとつです。今回は、贈与税率が変わる年齢や、孫に税金の負担をかけにくくする方法などについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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贈与税は課税金額によっては成人か未成年かで税率が変わる
贈与税の税率は、直系尊属(祖父母や両親など)から18歳以上の子どもや孫へ財産を渡したときに適用される特例税率と、それ以外の一般税率で分けられます。各税率は表1の通りです。
表1
課税金額 | ~200万円 | ~300万円 | ~400万円 | ~600万円 | ~1000万円 | ~1500万円 | ~3000万円 | ~4500万円 | 4500 万円超 |
|
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特例 税率 |
税率 | 10% | 15% | 20% | 30% | 40% | 45% | 50% | 55% | |
控除額 | - | 10万円 | 30万円 | 90万円 | 190万円 | 265万円 | 415万円 | 640万円 | ||
一般 税率 |
税率 | 10% | 15% | 20% | 30% | 40% | 45% | 50% | 55% | |
控除額 | - | 10万円 | 25万円 | 65万円 | 125万円 | 175万円 | 250万円 | 400万円 |
出典:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」を基に筆者作成
表1からも分かるように、課税金額が300万円超になった場合、特例税率の方が低く設定されています。贈与税は基礎控除として110万円を引いた課税金額を基に計算するため、最終的に410万円を超えるお金を受け取ったときに、同じ金額でも成人済みか未成年かで金額が変わるでしょう。
200万円を受け取ったときの贈与税額
もし、200万円ずつを贈与として渡したときは、孫の年齢にかかわらず税率は同じ10%です。基礎控除を引くと90万円なので、それぞれ9万円の税金が課されます。
しかし、祖父母以外からも受け取っていたり、同じ年に追加でお金を受け取ったりしていると、課税金額および贈与税額も変わるでしょう。
例えば、同じ年に両親からさらに、250万円ずつを受け取ったとしましょう。
合計金額は450万円なので、課税金額は340万円です。表1の税率を基にすると、成人している孫は41万円が課されます。一方、未成年の孫になると、税額は43万円です。兄弟/姉妹で2万円の差があります。
税金負担を孫2人で平等にしたいなら、年下の孫が成人するまでお金を渡すのを待った方がよいでしょう。
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孫に贈与税の負担をかけさせない方法
孫にかかる贈与税の負担をなくしたいときは、1年間で渡す金額を110万円までにしましょう。200万円を2年に分けて渡せば基礎控除額内となり、贈与税は課されません。
また、非課税になる項目を活用することも有効です。国税庁によると、扶養義務者(直系血族や家庭裁判所の判断により認定された3親等内の親族など)から生活や教育のために受け取ったお金で通常必要と認められるものには税金がかかりません。
例えば、孫の大学進学資金として必要なときに必要なタイミングで送れば、金銭的負担を増やすことなくお金を渡せるでしょう。治療費も非課税項目に含まれるため、けがや病気をしたときに支援することもおすすめです。ただし、渡したお金を孫が貯金や株式など別の用途に使用すると、課税される可能性があります。
また、祝い金やお年玉も社会通念上相当と認められる範囲であれば税金はかかりません。200万円のうち、いくらかを入学祝いやお年玉として渡せば、税金は課されないでしょう。
200万円なら年齢で税率は変わらない
贈与税の税率は、受け取った財産の金額が410万円を超えていれば、本人が成人済みか未成年かで税率が変わります。410万円以内であれば変わりません。ただし、200万円以外に孫が財産を受け取っている場合は、税率が変わることがあります。不安な場合は、孫2人ともが成人するまで待ってから渡しましょう。
なお、課税されない項目も利用すれば、200万円を渡しても税金負担はかかりません。孫の税金負担を軽くしたいなら、非課税項目で渡せないかを検討しましょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー