夫婦で「3000万円」の住宅購入を検討中。夫の実家が太く「1000万円手伝う」と言ってくれたのですが、税金は大丈夫でしょうか? 全額「非課税」で受け取れますか?
配信日: 2025.01.26
住宅を購入するときに親からお金をもらった場合、贈与税がかかるケースとかからないケースがあります。本記事では、住宅取得のための資金を受け取った場合について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
住宅購入時に贈与税がかからないケース
親に限らず、個人から1年間に受け取った財産の合計額が基礎控除額の110万円以内の人は、贈与税がかかりません。これは、複数の人から贈与を受けた場合でも、合計金額が110万円以内であれば、贈与税はかからずに済みます。
また、父母や祖父母などの直系尊属から、質の高い住宅を建築する予定で1000万円の贈与を受ける人や一般住宅で500万円の贈与を受ける人も贈与税がかかりません。質の高い住宅とは、省エネルギー性能や耐震性能、バリアフリー性能のいずれかの基準に適合する住宅を指します。
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税とは?
直系尊属の父母や祖父母から住宅の新築・取得・増改築のためのお金を受け取った場合、一定の金額を非課税とする制度です。住宅を新築・取得・増改築する初期費用の負担軽減を通じて、質の良い住宅の形成と居住水準の向上を目的としています。
住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置を適用するには、要件を満たさなければなりません。要件には、期限や所得金額などさまざまなものがあります。
非課税の適用期限
2024年1月1日から2026年12月31日までに贈与を受けなければなりません。また、申請の手続きとして、贈与があった翌年の2月1日から3月15日までの間に必要な書類を準備し、所轄税務署に提出する必要があります。期限を過ぎてしまうと、非課税が適用されなくなってしまいます。
非課税の適用要件
非課税の適用要件に、全て当てはまるかどうかを確認しましょう。適用要件は、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であり、合計所得金額が2000万円以下の人などがあります。2009年から2023年までの贈与税の申告で同じ制度を利用していないことも適用要件になります。
お金を受け取った年の翌年3月15日までに資金の全額を使って家の新築等を行い、居住する必要があり、お金を受け取った年の翌年12月31日までに居住していなければ非課税が適用されません。
【PR】「相続の手続き何にからやれば...」それならプロにおまかせ!年間7万件突破まずは無料診断
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度の注意点
非課税措置を利用する際に、気を付けるべき点を紹介します。
お金以外の贈与は非課税の対象外
お金以外の贈与は非課税の対象外です。親から土地をもらうケースもあるかもしれませんが、土地は非課税にならず贈与税がかかります。
非課税が適用されるのは直系尊属からのみ
家の名義が夫の場合、妻の父母や祖父母からお金を受け取ったとしても非課税にはなりません。夫が、夫の父母や祖父母などの直系尊属からお金を受け取ったときに、非課税になります。
贈与のタイミングに注意
お金を受け取るタイミングに注意しないと、制度を利用できない可能性があります。家を新築する場合、お金を受け取った年の翌年3月15日までに棟上げが終わっている状態か新築が完成していなければなりません。
つまり、お金を受け取った年が2025年であれば、2026年3月15日までに棟上げが終わっている状態か家が完成している必要があります。期限内に要件を満たさないと非課税にはならないので、贈与のタイミングを考慮しましょう。
住宅購入のお金をもらったときは、非課税措置を確認して手続きをしましょう
家を新築するときは、高額な費用がかかるので、お金を援助してもらえると家計の負担が減ってうれしいものです。しかし、110万円よりも多いお金を受け取ったときは、贈与税がかかります。直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度を適用すると、一定の金額分、贈与税が不要です。
適用要件を満たさないと贈与税がかかるので、非課税制度の内容を確認して手続きをしましょう。
出典
国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー