帰省時に済ませたい相続の話。お互い嫌な気持ちにならずに話し合うためのポイント

配信日: 2019.08.09

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帰省時に済ませたい相続の話。お互い嫌な気持ちにならずに話し合うためのポイント
お盆休みで帰省する方は、多いと思います。帰省時に親と相続の話をしておきたいと考える方もいるでしょう。しかし、突然、相続の話をしても大丈夫でしょうか?
 
もしかしたら、親はあなたのことを警戒するかもしれません。それでも相続の話をしなければならないとしたら、どうするべきでしょうか?
 
岡田文徳

執筆者:岡田文徳(おかだふみのり)

認知症大家対策アドバイザー

人生100年時代を生き抜くために大家さんの認知症対策と不動産賃貸経営のサポートを行なっている。

祖父が認知症になり、お金が下ろせない、賃貸業はストップ、収益の出ない物件を買わされそうになる。

祖父の死後、両親と認知症対策を行い、自ら賃貸経営ノウハウや人脈を構築し、日々改善している。

現在は、大家さん向けにセミナーやコンサルティングを行なっています。

帰省したときに突然、相続の話をすると……

帰省したときに、親に相続の話をするのは、ためらわれるものです。「財産を狙っているのではないか?」と親に警戒された経験のある方もいるかもしれません。
 
確かに、久しぶりに帰省して顔を合わせ、お互いに元気であることを確認して、今年も会えて良かったと思っているときに、相続の話ができるか? というと、難しいかもしれません。
 
突然、相続の話をすると、誰であっても警戒します。もし、自分が相続の話をされたらどう思うかを考えてみてください。
 
しかし、まったく話をしておかないと、大変なことになるかもしれません。それでは、親に不快な思いをさせずに相続の話に持っていく方法はないのでしょうか?
 

まず、なぜ相続の話を嫌がるのかを考えてみよう!

相続は亡くなってはじめて、発生するものです。相続=亡くなる
 
ですから、自分が亡くなることを想起させてしまいます。人間ですので、永遠の命があるわけではないことは、誰しも理解していることです。いつか死ぬことは頭で理解できているけれども、あと数年で亡くなるとは誰も思っていません。
 
つまり、自分が亡くなるということは遠い将来のことだから、今考える必要がないし、考えたくないというのが本音です。
 
このような考えを持っている人に相続の話をしたら、険悪な状態になると思いませんか?
 

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相続の前に起こる認知症のリスクを考えよう!

現在の日本は、人生100年という時代になりました。相続が発生するよりも前に、認知症になってしまう可能性があることを意味しています。
 
認知症になると、本人確認ができなくなりますので、家族がお金を引き出すことはできません。家族が本人のクレジットカードでお金を引き出せる場合があるようですが、いつまで引き出せるかはわかりません。家族であっても、そもそも本人ではない人がお金を引き出すことはできないはずです。
 
老後生活のために貯めておいたお金があっても、十分な年金が手に入っていたとしても、認知症になり、お金を引き出して使うことができないのであれば、意味がありません。
 
施設に入るための資金を作るために、不動産を売却しようと思っても、認知症になっていたのであれば、売却できません。司法書士さんが本人の売却する意思を必ず確認します。確認できなければ、売却できません。
 
相続の前に認知症になってしまえば、何もできなくなってしまいます。認知症になると、口座にお金があっても、使えない状態になるということを理解しておくべきでしょう。
 

相続を想起させずに、自分ごととして考えてもらう

認知症になるリスクがあるから、対策をしておいたほうが良いと伝えても、親には響かないでしょう。相続の話をする場合と同じです。自分は認知症になると思っていませんので、認知症の対策をしたほうが良いと言われたら、親は嫌な気持ちになるかもしれません。
 
それでは、どのように伝えれば良いでしょうか?
 
親に「どのような老後を過ごしたいか」を聞くということです。つまり、親の希望を聞く形で、ポジティブな質問をするということです。
 
親の希望をかなえるためには、さまざまな対策を行わなければならない、という形に持っていければ、最高です。
 
1回話し合っただけで、解決するものではありませんが、なあなあにしておくことではありません。まずは、しっかり話し合える土壌を作りましょう!
 
まとめると、
 
・帰省時に突然、相続の話をしない。
・親にネガティブなイメージを植え付けない。
・親の希望をかなえる形に持っていく。
・1回で解決できると思わずに、何度も話し合いを行う。
 
相続対策や認知症対策は、家族の将来において必要なことです。根気よく行ってください。認知症の対策については、別の機会にお伝えしたいと思います。
 
執筆者:岡田文徳
認知症大家対策アドバイザー

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