いざという時に役立つ相続の基本。もし親が亡くなったら、どんな手続きが必要になる?

配信日: 2019.08.18 更新日: 2023.09.06

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いざという時に役立つ相続の基本。もし親が亡くなったら、どんな手続きが必要になる?
お盆シーズンには実家に帰省して、両親や祖父母と再会する人も多いことでしょう。まだまだ元気でいる、いてほしいと思っていても、いつ、万一の事態が起こってしまうかは誰にも分かりません。もし両親等が亡くなった場合には、どのようにするべきなのでしょうか?
 
いざというときに慌てないためには、まず何をすれば良いのかを知っておくことが大切です。
 
飯田道子

執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。

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各所に届け出をする

頭では分かっていても、どうすれば良いのか分からなくなってしまう人も少なくありません。親が亡くなったときにまずするべきことは、役所に死亡届を提出し、無事に送り出してあげること。
 
その次に、銀行等の金融機関に亡くなった旨を届け出て、相続の手続きの準備をスタートしてください。亡くなったことを伏せていればお金は引き出せる、「黙っていれば大丈夫」などと言っている方がよくいます。
 
しかし、年金受給口座の金融機関には必ず通知がいきますし、地方であれば新聞の「お悔やみ」のページに名前が載る、口コミで伝わることもあります。親が亡くなったことを隠してお金を引き出した場合には、相続でもめる原因にもなりますので、直ちに届け出るようにしてください。
 
届け出をすると、亡くなった方の口座は凍結されます。公共料金や家賃の引き落とし等で利用している場合には、関連各所にも口座の変更を届け出ることが必要です。
 
お葬式でお金がかかるのに、口座が凍結されるのは困ると言う方もいますが、心配御無用。葬儀にかかった費用の場合、領収書等の所定の書類を提出すれば、引き出すことができます。
 

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相続の流れを知る

相続では、手続き上で期限が設けられています。期限を把握し、今現在しなければならないことは何かを考えて動くと、効率よく進めることができます。
 

 
遺族で手続きをするというのもありなのですが、全てを行うのは時間もかかりますし、難しいこともあります。一方、税理士や弁護士等に全てお願いすると簡単なのですが、その分費用もかさみます。基本は自分で動くようにし、難しい、面倒な部分だけプロに任せると、費用を節約できます。
 
自分たちでできる代表的なこととしては、相続財産を把握して財産目録を作成する。法律に基づいた相続人(法定相続人)は誰なのか、戸籍を取り寄せて調べる等があります。
 
こちらの2点は、親が元気なうちに準備しておくと簡単なのですが、子どもに全ての財産を伝えるのに抵抗があるような場合も。公正証書等で遺言書を作成してもらう、財産目録を作成し、いざというときに利用できるように準備しておいてもらうと良いですね。
 
意外と難航するのが、相続人の確定です。親の年齢にもよりますが、結婚・離婚を子どもたちに知らせていない方たちなどは、生前に戸籍謄本の取り寄せを拒否することがあります。そうした場合には、相続が発生してから子どもたちで準備するようにしてください。くれぐれも無理強いは禁物です。
 
また、あると便利なのが、土地の広さが分かる測量図です。相続税の計算で、宅地の評価額を最大で80%も減額してくれる「小規模宅地等の特例」に利用できます。
 
特に、先祖代々受け継がれている土地の場合には、土地の境界があいまいになっていることがあります。相続が発生したら、すぐに準備するようにしましょう。
 

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あらかじめ話し合っておこう

相続は子どもにとって受け身のものなのですが、そのときを待ってから行動に移すと時間がかかるだけでなく、最悪の場合、期限内に終わらないことも……。相続が発生してから完了するまでは10ヶ月。長いように思うかもしれませんが、いざ始まると、時間が足りないと思う方がほとんどです。
 
スムーズに手続きするためには、生前の親の協力が必須。親が元気なうちから、財産についてどのように相続させたいか等を話し合っておき、相続人全員が意向を認識しておくことが大切です。
 
もちろん、遺言書を準備してもらう方法もありますが、子どもからは頼みにくいという声をよく耳にします。その場合にはエンディングノート等を活用し、ソフトな切り口から親の思いを感じ取ることも有効です。
 
遺言書のあるなしにかかわらず、相続でもめてしまうこともよくあります。もめてしまった場合には、司法書士や弁護士のプロ、もしくは信頼できる第三者にできるだけ早く相談し、早期解決に向けて行動するようにしましょう。
 
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
 

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