更新日: 2020.07.19 贈与
孫に教育費を贈与したい!税金がかからないのはいくらまで?
幼稚園や小学校、中学校、高校、大学といった学校に関する費用だけでなく、学習塾や水泳、ピアノなどといった習い事の費用も必要かと思います。受験時には、講習や受験対策講座の費用も上乗せしてかかってきます。
このように、子どもにかかる教育費用は多額です。
おじいちゃん、おばあちゃんの中には、かわいいお孫さんや自分のお子さんに、できるだけ資金的な援助をして、喜ぶ顔が見たいと思っている人もいらっしゃるのではないでしょうか?
そういった方たちのために、お孫さんに教育費を非課税で贈与できる制度があるので紹介します。
執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)
ファイナンシャル・プランナー
中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。
教育資金の贈与の活用
1. 制度の概要
平成25年4月1日から令和3年3月31日までの間に、30歳未満の方(以下「受贈者」といいます)が、教育資金に充てるため、金融機関等との一定の契約において、受贈者の直系尊属(父母や祖父母など。以下「贈与者」といいます)から、
(1)信託受益権を取得した場合
(2)書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合
(3)書面による贈与により取得した金銭等で、証券会社等で有価証券を購入した場合
には、その信託受益権または金銭等の価額のうち1500万円までの金額に相当する部分の価額については、取扱金融機関の営業所等を経由して教育資金非課税申告書を提出することにより、受贈者の贈与税が非課税となる制度です。
要するに、令和3年3月31日までに必要な手続きをすれば、1500万円までは、30歳未満の孫に教育資金を非課税で支援することができるのです。
2. 教育資金の範囲
(1)学校等に対して直接支払われる次のような金銭
A.入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費または入学(園)試験の検定料など
B.学用品の購入費、修学旅行費や学校給食費など学校等における教育に伴って必要な費用など
(注)「学校等」とは、学校教育法で定められた幼稚園、小・中学校、高等学校、大学(院)、専修学校および各種学校、一定の外国の教育施設、認定こども園または保育所などをいいます。
(2)学校等以外の者に対して直接支払われる次のような金銭で、教育を受けるために支払われるものとして社会通念上相当と認められるものをいいます。
A.役務提供または指導を行う者(学習塾や水泳教室など)に直接支払われるもの
ア. 教育(学習塾、そろばんなど)に関する役務の提供の対価や施設の使用料など
イ. スポーツ(水泳、野球など)または文化芸術に関する活動(ピアノ、絵画など)その他教養の向上のための活動に関わる指導への対価など
ウ. アの役務の提供またはイの指導で使用する物品の購入に要する金銭
B.A以外(物品の販売店など)に支払われるもの
ア. 上記(1)Bに充てるための金銭であって、学生等の全部または大部分が支払うべきものと学校等が認めたもの
イ. 通学定期券代、留学のための渡航費などの交通費
(注)令和元年7月1日以後に支払われる上記(2)A.ア~ウの金銭で、受贈者が23 歳に達した日の翌日以後に支払われるものについては、教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講するための費用に限ります。
暦年贈与の活用
1月1日から12月31日までの1年間に110万円以下の贈与については、贈与税がかかりません。
この制度を活用して毎年、あるいはお金を援助できる年に孫に援助することも検討してみてはいかがでしょうか。もちろん、この制度は、教育費以外にも適用できますので、必要都度活用することも可能です。
なお、贈与については、きちんとした手続き等を行わないと非課税として認められないケースが生じることがあります。事前に税務署での面接による個別相談を行うと良いでしょう。もちろん、税理士やFP(ファイナンシャルプランナー)などの専門家に相談しても良いです。
(参考文献)国税庁「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー
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