最終更新日:2019.01.10 公開日:2017.10.02
保険

事故で夫に重い障害が…そんなとき心強い「高度障害保険金」とは

ほとんどの方は、定期保険や終身保険などの生命保険(死亡保険)に加入していると思います。たとえば、夫が亡くなったとき、死亡保険金の請求漏れの可能性は低いと思います。

しかし、夫がケガや病気で重い障害を負った場合、高度障害保険金の請求ができる可能性があるのに、死亡保障しかないと思い込んでいると、高度障害保険金の請求漏れの危険性があります。

高度障害保険金は非課税のメリットがありますので、支払い条件に該当するのに請求しないのは損です。

 

死亡保険の保険金は死亡した時だけではない

 
生命保険(死亡保険)は、死亡時だけではなく、高度障害時にも、死亡保険金と同額の保険金が支払われるのが一般的です。

某保険会社の保険約款には、高度障害保険金の支払い条件の「高度障害状態」は次のように定められています。

<高度障害状態の例>
①両眼の視力を全く永久に失ったもの
②言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
③中枢神経系・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
④両上肢とも手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
⑤両下肢とも足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
⑥1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったか、またはその用を全
く永久に失ったもの
⑦1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの

この支払い条件を見ると、高度障害保険金をもらうには、かなりハードルが高そうです。私のクライアントのA夫妻の実例をお話しします。

Aさんは、当時要介護1でした。3年前の冬に、肺炎になり、誤嚥性肺炎予防のために、胃ろうが作られました。入院中に要介護度5になり、3年以上も寝たきり状態です。今も、胃ろうから栄養を補給しています。

配偶者Bさんから、当初、入院給付金請求についての相談を受けていたのですが、状況を聞いていましたので、高度障害保険金の請求もアドバイスしました。Bさんは、Aさんが、まだ亡くなっていないのに、なぜ、保険金の請求ができるのか半信半疑でした。

 

指定代理請求制度とは?

 
読者の中には、保険の請求はAさんしかできないのではないかと、疑問に思った方もいると思います。確かに、保険の請求は契約者であるAさんしかできません。

しかし、Aさんのように、受取人である被保険者自身が高度障害保険金などを請求する意思表示をできない特別な事情がある場合に備えて、契約者があらかじめ指定した代理人が代わって請求できるしくみがあります。

これが、指定代理請求制度です。指定代理請求制度は、保険版の「任意後見人制度」といえます。

今回のケースでは、契約者であるAさんが、配偶者Bさんを指定代理請求人に指定していたため、スムーズに保険金の請求ができました。そして、請求通り、高度障害保険金を受け取ることができました。

 

保険に加入していることを家族に伝えておきましょう

 
たとえば、認知症などで、本人が保険金請求の意思表示をできない場合、あらかじめ本人が代理人を指定しておかなければ、家族は成年後見の申立てを行い、後見人にならなければ、本人に代わって、高度障害保険金などの生前給付の保険金の請求ができません。

申立て費用もかかりますし、後見や保佐については、本人の精神鑑定を行うので、審理に2~3か月程度かかります。指定代理請求人に指定されていれば、費用も時間もかかりません。指定代理請求人を指定しておくことはとても大切です。

また、本人の保険加入について家族が知らなければ、請求されないままになってします。

保険会社、保険種類、保障内容を簡単でいいので、一覧表にして、家族に伝えておきましょう。
  
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。

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新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/



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