最終更新日:2019.01.10 公開日:2018.06.17
保険

老後が不安。定年退職後の公的医療保険は、どれがお得?

日本では原則、全員が何らかの公的医療保険に加入しなければなりません(国民皆保険)。加入する公的医療保険の種類は、年齢や職業によって異なります。
 
定年退職後の公的医療保険の選択肢は3つありますが、どれに加入すべきか、それぞれのメリット、デメリットを検討して決めましょう。
 

公的医療保険の種類

会社員とその家族は、健康保険組合や協会けんぽが運営する「健康保険」、公務員とその家族は「共済組合」などの被用者保険に加入し、自営業者などは市区町村と都道府県が運営する「国民健康保険」に加入します。
 
そのほか、船員が加入する「船員保険」などもあります。
 
なお、75歳以上の人はすべて「後期高齢者医療制度」に加入することになっています。
 

定年退職後の選択肢は3つ

会社員とその家族は、健康保険組合や協会けんぽが運営する「健康保険」に加入しています。
 
定年退職後、同じ会社での再雇用や違う会社で再就職する場合などは、勤務先で「健康保険」に加入しますので、自分で手続きをする必要はありません。
 
しかし、定年退職後、会社勤めをしない場合は、74歳までは自分で公的医療保険を選んで加入する必要があります。
 
定年退職後の公的医療保険の選択肢は「国民健康保険」「健康保険の任意継続」「家族の被扶養者」の3つあります。
 
このほか、特定健康保険組合の被保険者だった人は「特例退職被保険者」として、引き続き特定健康保険組合に加入できる場合があります。
 

定年退職後の選択肢(1)国民健康保険

加入条件はありません。75歳になるまで加入できます。保険料は前年の世帯年収、世帯人数などによって計算されますので、退職翌年の保険料が高額になる可能性があります。
 
会社員の家族は被扶養者として保険料不要で加入できましたが、国民健康保険には被扶養者という概念はありません。
 
世帯の年間最高限度額は、国の法令によって決まっています。平成29年度の最高限度額は、基礎分(医療分)が58万円、後期高齢者支援金分が19万円、介護分が16万円です。
 
なお、退職理由が解雇等であれば、保険料の軽減措置があるので覚えておくといいでしょう。手続きは、退職後14日以内に市区町村の窓口で行います。
 

定年退職後の選択肢(2)健康保険の任意継続

退職日まで継続して2カ月継続して加入していた人が、健康保険組合などに引き続き加入できます。
 
協会けんぽの場合、保険料は退職時の標準報酬月額に、住んでいる都道府県の保険料率(40歳以上65歳未満の人は、介護保険料率が含まれます)を乗じた額になります。
 
ただし、保険料の上限があり、標準報酬月額が28万円を超える場合は、28万円の標準報酬月額により計算した保険料になります。
 
退職後2年間加入でき、原則2年間保険料は変わりません。被扶養者の保険料は不要です。
 
保険給付に関しては、傷病手当金および出産手当金を除き、在職中に受けられる保険給付と同様の給付を原則受けることができます。
 
傷病手当金および出産手当金は、任意継続の加入とは関係なく、在職中からの継続給付の要件を満たす場合に限り対象となります。
 
手続きは退職後2カ月以内に行うことが必要です。
 

定年退職後の選択肢(3)家族の被扶養者になる

一定の条件を満たせば、原則75歳まで家族が加入する健康保険組合に被扶養者として加入できます。被扶養者の保険料は不要です。
 
加入条件は、年間の収入が130万円(60歳以上や障害者は180万円)未満で、被保険者の収入の原則2分の1未満です。
 
ただし、130万円(60歳以上や障害者は180万円)未満であっても、パートなどで健康保険の被保険者になった人は、被扶養者になることはできませんので注意しましょう。
 
手続きは被扶養者該当から5日以内に行います。
 

国民健康保険と任意継続、どちらが得か?

家族の被扶養者にならない場合、国民健康保険に加入するか健康保険の任意継続に加入するか悩む人が多いようです。どちらが得かは一概に言えません。
 
負担する保険料や給付の内容を、それぞれ問い合わせて検討しましょう。
 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。

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新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/



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