生命保険の加入率が高いといわれる日本、どのくらい加入しているの?
配信日: 2018.10.18 更新日: 2019.01.11
保険の規模を計る指標は契約数や契約高、年換算保険料等いろいろありますが、今回は個人保険と個人年金保険の保有契約数について確認してみました。
Text:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/
個人保険の保有契約数は日本の総人口を上回っている
下記のグラフは、生命保険協会の統計資料「生命保険事業概況」と「生命保険の動向」から、会員41社の個人保険保有契約数を保険種類別に色分けして表したものです。過去との比較ができるよう10年間の契約数を載せてあります。
保険種類は棒グラフの下から順に、終身保険・定期付終身保険・利率変動型積立終身保険・定期保険・変額保険・養老保険・医療保険・ガン保険・こども保険・その他の保険となっています。
資料:生命保険協会「生命保険事業概況(2013~2017年度)」「生命保険の動向(2012年・2017年版)」
個人保険の保有契約数は2008年以降増え続けています。2008年度は1億1299万件でしたが、2017年度には1億7302万件へ9年間で1.5倍になっています。日本の人口を大きく上回っているので、1人あたり1件以上の保険契約があることになります。
保険種類別では、2017年度の保有契約数が特に多いのは終身保険(3826万件)、医療保険(3678万件)、ガン保険(2446万件)等です。2008年度に比べて増加数が多いのは終身保険(2160万件増)、医療保険(1653万件増)、定期保険(970万件増)で、増加割合が大きいのも終身保険(130%増)、医療保険(82%増)、定期保険(77%増)の順になっています。
2008年度に比べて減少している保険もあり、定期付終身保険は406万件減少(30%減)、利率変動型積立終身保険は178万件減少(23%減)しています。全体が1.5倍に増えていることから、この2つの保険が占める割合は相当減っていることになります。
個人年金保険の保有契約数は2148万件
もう一つ、個人年金保険の保有契約数もみてみましょう。
下記のグラフは、同じく生命保険協会の統計資料「生命保険事業概況」と「生命保険の動向」から、個人年金保険の保有契約数の推移を表したものです。定額年金と変額年金で色分けしてあります。
資料:生命保険協会「生命保険事業概況(2013~2017年度)」「生命保険の動向(2012年・2017年版)」
2017年度の個人年金保険の保有契約数は2148万件で前年に比べて28万件減っています。前年に比べて大幅に減った新契約数の影響が保有契約数にもでています。ただ、2016年度までの8年間は常に増加しているので、2008年度に比べたら2017年度は406万件(23%)増えています。
定額年金と変額年金をそれぞれみると、定額年金は2008年度の1431万件から2017年度の1944万件へ35%(513万件)も増えています。しかし変額年金は2008年度の311万件が2017年度には204万件へ34%(107万件)も減っています。超低金利時代ですが、それでも加入者の安定志向が強まっているのかもしれません。
十年一昔といいますが、生命保険においても10年前と今では契約状況がかなり異なります。今から10年後はどうなっているのでしょうか? 今はまだない画期的な保険が主役になっているかもしれません。
※保有契約数の統計は生命保険協会に加盟している生命保険会社のみで、損害保険会社や共済等は含まれていません。生命保険協会に加盟している保険会社は現在41社ですが、会社数は毎年のように変動しています。
Text:松浦 建二(まつうら けんじ)
CFP認定者