2019.02.25 保険

誰にでも起きうる事故や病気。働けなくなったときの備えはできていますか?

病気やケガで働けなくなったとき、一番の心配は収入が途絶えることではないでしょうか。サラリーマンであれば、有給休暇や病気休暇等の会社の制度、健康保険からは傷病手当金の給付があります。しかし、働けない期間が長期化した場合は退職となり、その後の収入が激減することが予想できます。
 
これらのリスクに備える方法のひとつに「就業不能保障保険」の活用があります。
 

傷病手当金

傷病手当金は、被保険者が病気やケガのために会社を休み、会社から十分な給料が受けられない場合に支給されます。
 
(1)業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること (2)仕事に就くことができないこと (3)連続する3日間(待期3日間)を含み4日以上仕事に就けなかったこと (4)休業した期間について給与の支払いがないこと、といった4つの条件を満たすと、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して、給与月額の3分の2相当額が最長1年6ヵ月支給されます。支給期間は支給開始日から1年6ヵ月です。
 
1年6か月分の傷病手当金が保証されている訳ではありませんので注意してください。
 
なお、健保組合によっては金額を上乗せしたり、期間を延長したりして給付内容を手厚くする付加給付もあります。加入している健保組合の付加給付を調べてみましょう。
 
傷病手当金の支給期間中、給与の支払いがあっても、傷病手当金の額よりも少ない場合は、その差額が支給されます。また、待期3日間には、有給休暇、土日・祝日等の公休日も含まれます。この間、給与の支払いがあったかどうかは関係ありません。
 

障害年金

病気やケガによって、生活や仕事などが制限されるようになったときに受け取ることができる年金制度が障害年金です。
 
病気やケガのために初めて病院を受診した日(初診日)から1年6ヶ月後から請求することができます。初診日に国民年金に加入していた方は「障害基礎年金」が、厚生年金に加入していた方は「障害厚生年金」が支給されます。
 
支給を受けるには、(1)初診日のある月の前々月までの公的年金加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること (2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと、といった条件があります。
 
年金額(平成30年度)は、「障害基礎年金」は、障害等級1級が【779,300円×1.25+子の加算】、障害等級2級が【779,300円+子の加算】となっています。
 
「障害厚生年金」は、障害等級1級が【報酬比例の年金額×1.25 +配偶者の加給年金額(224,300円)】、障害等級2級が【報酬比例の年金額+配偶者の加給年金額(224,300円)】、障害等級3級が【報酬比例の年金額(最低保障額584,500円)】となっています。
 
病気やケガで働くことができなくなって、障害が残った場合には、障害年金を検討しましょう。障害年金は、傷病手当金のように期間限定の制度ではありません。障害が続き限り支給を受けることができます。
 
なお、同一傷病が原因でどちらの制度にも該当する場合は、傷病手当金は一部支給停止もしくは支給停止になります。
 

就業不能保障保険

傷病手当金や障害年金の不足分を補完するのが、保険会社の「就業不能保障保険」です。自営業者には傷病手当金がありませんので、病気やケガで働けなくなったときに備えて「就業不能保障保険」に加入する必要性が高いといえます。
 
「就業不能保障保険」は、所定の傷病によって就業不能状態になったときに保険金が支払われます。医療保険と異なり、入院だけではなく、医師の指示にもとづき自宅等で治療に専念すること(在宅療養)も対象になります。
 
「就業不能保障保険」は多種多様です。「就業不能保障保険」を選ぶにあたっては、(1)保障期間(免責期間)が何日あるのか (2)保険金の受け取り方法(毎月・年金・一時金) (3)保障される期間 (4)就業不能状態の具体例 (5)精神疾患は対象となるか (6)要介護や障害は対象となるか (7)専業主婦(夫)も加入できるか、などを確認すると良いでしょう。
 
ちなみに、「就業不能保障保険」は以前「所得補償保険」という名称でも販売されていました。これと紛らわしい保険に「収入保障保険」という商品があります。こちらは死亡したり高度障害を負ったりすると年金形式で保険金が受け取れる全く別の商品です。
 
執筆者:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー
 
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新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/



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