家計に占める生命保険料の割合、どれくらいが適切?
配信日: 2021.04.01
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
適切な生命保険料の支出割合は約7%前後
「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」によれば、世帯の年間収入に対する生命保険料の支出割合は7.2%となっているようです。
さらに、将来の生活設計を考え現状加入している保険で十分かという問いに対し、46.1%の方が十分あるいはほぼ十分と答えています。一方、不充分、やや不充分との回答が35.5%であることを考えると、一般的に適切な生命保険料の支出割合は7%から8%程度で、多くても10%程度だと考えられそうです。
ただし、これはあくまで調査の平均的な数値から導かれた暫定的な数値です。一概に10%以内であれば適正であるとか、7%以下だから少ないと考えるのは避けるようにしてください。
保険料の決め方は3つの観点から
先に述べた数値である家計の7%から10%程度というのは、あくまでも統計データから機械的に導き出した数値です。それをそのまま家庭に当てはめても必ずしも適切な生命保険料の支出額になるとは限りません。
そのデータを参考にしつつ、次のような3点から支出額を決めると適切な金額に収まりやすいです。
(1)必要な範囲に保障を絞る
(2)必要十分な保険金額とする
(3)無理のない生命保険料とする
必要な範囲に保障を絞る
まず考えたいのが生命保険に加入する意味です。なぜ生命保険に加入するのですか? 基本的にはある人に万一のことが起きた際、本人や家族の生活を保障するために加入するものです。
中には生命保険について保障は手厚い方がいいと考え、あれこれといくつもの保険に加入したり、たくさんの特約を付けてしまう方もいらっしゃると思います。そういった場合は、なぜ生命保険に加入するのかを考えてみてください。
確かにリスクを挙げればキリがありませんが、だからといって全てをカバーしようとすると生命保険料は莫大なものとなってしまいます。生命保険は家族の年齢、貯蓄、収支の状況などに合わせて必要な範囲の保障に絞ることが望ましいです。
必要十分な保険金額とする
万が一の際に受け取れる生命保険の保険金額は、高すぎても低すぎてもよくありません。欲を出せばいくらでも保険金額を上げることができ、その分生命保険料は高くなってしまいます。そのため最低これくらいは必要、これだけあれば生活を立て直すための時間を稼げるなど妥協点を見いだし、低すぎず高すぎず、家計の状況に応じて適切な保険金額を検討してください。
無理のない生命保険料とする
必要な範囲で十分な保険金額を確保しようとすると毎月の生命保険料が意外なほど高くなることも少なくありません。生命保険に加入して、いざというときに備えられるとしても、普段の生活を極限まで切り詰めて加入するのは危険です。生命保険料は生活に支障のない範囲で無理なく設定するようにしてください。
まずは日々の生活を盤石なものとしつつ、その上で生命保険によって万一に備えるというのが理想です。
生命保険料は日々の生活に支障のない範囲で
生命保険は万が一に備えての保障としての役割を果たすものです。多くの家庭が収入の7%から10%程度を生命保険料として支出しているとはいえ、全ての家庭においてそれが適切とは限りません。
生命保険については必要な保障範囲で、必要な保険金額を満たし、かつ無理のない生命保険料で実現できる範囲に設定することで、限りなく適切な生命保険料に近づけることができるでしょう。
出典
生命保険文化センター ライフステージ別にみた生命保険の加入実態、生活保障意識
生命保険文化センター 平成30年度「生命保険に関する全国実態調査」〈速報版〉
執筆者:柘植輝
行政書士