コロナで収入減、加入している医療保険やがん保険を安易に解約しても良い?

配信日: 2021.04.15

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コロナで収入減、加入している医療保険やがん保険を安易に解約しても良い?
新型コロナウイルス感染症の影響で、収入が減っている人も多いようです。収入が減れば支出も減らさないと家計が破綻しかねません。
 
支出を減らすときに生命保険料に手を付ける人が多いですが、医療保険やがん保険を安易に解約しても良いでしょうか? 解約以外に何か方法はないでしょうか? 
 
収入が減ったときの保障見直しについて考えてみました。
松浦建二

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

新型コロナウイルス感染症の影響で失業者数が急増

新型コロナウイルス感染症の影響で失業者数が増えています。下記のグラフは、総務省統計局の労働力調査から月ごとの完全失業者数を調べ、2016年1月から2020年12月まで60ヶ月間の推移を表したものです。
 

資料:総務省統計局「労働力調査」2016年1月~2020年12月の月次(基本集計)結果を基に作成
 
この60ヶ月間で最も失業者数が多かったのは2016年4月の224万人、最も少なかったのは2019年12月の145万人です。アベノミクスによる好景気の影響からか、失業者数は徐々に減っていましたが、2020年に入ると風向きが変わり、2020年10月には215万人まで増えてしまっています。
 
44ヶ月かかって79万人減らしてきたのに、わずか10ヶ月で元に戻ってしまいました。直近は少し減っていることから、労働環境が少しずつ新型コロナウイルス感染症に対応できるようになってきたのかもしれません。
 

医療保険は新型コロナウイルス感染症も保障対象

新型コロナウイルス感染症にかかって入院した場合、加入している医療保険から入院給付金を受け取れるのでしょうか? 最近多い質問ですが、医療保険の保障は病気やケガ等で治療を目的とした入院や手術をしたら給付金を受け取れ、新型コロナウイルス感染症にかかった場合でも保障対象となっています。
 
新型コロナウイルス感染症の場合、保健所や医療機関の証明書等があれば、医療機関で入院せずに臨時施設(ホテル等の滞在型施設)や自宅等で療養の場合でも、特別対応で入院給付金等の支払い対象になりました。
 

医療保険やがん保険は役立つ前に解約したらもったいない

医療保険やがん保険は、病気やケガをして入院や手術をしたときの保障が中心なので、若い頃はあまり使わず、高齢になってから使う機会が増えます。新型コロナウイルス感染症の影響で、保険料支払いが厳しくなれば何らかの対策は必要ですが、健康でないと新規に加入できないことが多いことから、安易に解約を考えないほうが良いです。
 
いつまでも保険会社が求める健康状態でいられる保証はありません。また、医療保険やがん保険で、保障期間が終身、保険料払込期間が有期(60歳や65歳まで払込)の場合、将来の保障コストを先払いしているので、解約したらもったいないのではないでしょうか。
 
保険料負担を軽くするには、保障額を小さくしたり、特約だけ解約したりしても効果はあります。まずは保険料以外で支出を減らす努力をし、どうしても保険料を減らす必要があるなら、解約する前に担当の保険募集人や保険会社等に相談してみてください。何か良い方法が見つかるかもしれません。新型コロナウイルス感染症に負けない、賢い生活していきましょう。
 
執筆者:松浦建二
CFP(R)認定者

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