4月から6月にたくさん働くと社会保険料が高くなるってほんと?

配信日: 2021.05.24

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4月から6月にたくさん働くと社会保険料が高くなるってほんと?
新年度も始まり、もうすぐ夏が近づいてきます。この時期(4月から6月)にがんばって働くと社会保険料に影響が出る、という話を聞いたことはありませんか?
 
本記事では社会保険料の決定に関わる内容について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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標準報酬月額とは?

標準報酬月額は、社会保険料(厚生年金および健康保険など)を決定するための基礎になる金額を表したものです。
 
同じ会社、同じ部署、同じ職位などで基本給は同じでも、残業の多さなど、さまざまな要因で一人ひとり支払われる給与は違いますよね。
 
社会保険料は個人に支払われる給与額を基準にしていますが、毎月個人ごとに違う額に合わせて社会保険料を計算していると会社の事務手続きも非常に多くなってしまいますし、年金機構や健康保険組合の手間も増え、かえって不都合が多い事態になってしまいます。
 
そうならないように、事前に「標準報酬月額」が定められており、給与の平均額に対応する標準報酬月額が毎年9月から翌年8月までの社会保険料の決定に利用されます。
 

標準報酬月額の決まり方は?

これには以下の4種類があります。それぞれを簡単に説明します。
 

(1)資格取得時の決定

入社時の契約内容などに基づいて決定。例えば新入社員は月給や週給など初任給を基準に決定されます。
 

(2)定時決定

すでに社会保険料を払っている人は、毎年7月1日現在の報酬月額(4月から6月の給与の平均額)を基準に決定されます。
 

(3)随時改定

●昇給、降給などにより固定的賃金に変化があった
●変動月から3ヶ月間の平均給与額に対応する標準報酬月額が2等級以上変化した
●3ヶ月とも給与支払いの基礎日数が17日以上ある

 
以上の条件に当てはまった場合、定時決定を待たずに改定が行われます。
 

(4)保険者決定

(1)から(3)に定められる決定方法では困難な場合に行われます。
 
上記の(2)に該当すると、タイトルのとおり4月から6月の給与額で社会保険料が決定されるので、その期間に仕事をがんばって給与額が多かった場合は以後1年間の社会保険料が上がることになります。
 

定時決定の方法

では、定時決定により社会保険料が変わる仕組みを少し詳しく見ていきます。対象者は、7月1日現在の全ての被保険者です。つまり、4月入社であっても継続勤務している場合は対象となります。対象外となる条件もありますが、基本的には個人で手続きすることはないので、あまり気にする必要はありません。
 
次に肝心の計算式です。まず対象となる給与とは残業手当や通勤手当などを含み、かつ食事など現物支給があった場合は年金機構が定めた額に換算して給与額に含まれます。
 
それらの合計を平均した額「(4月+5月+6月)÷3」を「標準報酬月額表」に当てはめて決定されます。
 
そのため、4月から6月に例えば残業代などが多かった場合は標準報酬月額が上がってしまい、社会保険料が1年間上がってしまうということになります。
 

まとめ

簡単ではありますが、標準報酬月額の決定について説明しました。給与明細にご自分の標準報酬月額が記載されていますので、毎年8月と9月を見比べてみてください。4月から6月に通常より働いた年の9月からは標準報酬月額が上がり、社会保険料もアップしている可能性が大きいです。
 
とはいえ、将来的には年金額にも影響するので一概にはデメリットとも言い切れません。まずは一度確認してみてはいかがでしょうか。
 
出典
日本年金機構 標準報酬月額、賞与等
日本年金機構 定時決定(算定基礎届)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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