更新日: 2019.01.10 医療保険
海外で入院・・『もしも』は起こると考える。海外の医療保険(第1話)
Text:田中ゆき恵(たなか ゆきえ)
イギリスCII AFP
アメリカパブリックアイビー、The University of Michigan, Ann Arborを卒業後、マレーシアを本社にもつイギリス系IFA、Infinity Financial SolutionsにてシニアコンサルタントとしてFP歴10年以上のキャリアを持つ。バンコク、ジャカルタ、クアラルンプールを中心に、海外居住者のために、財テクゲームを取り入れたお金セミナーを実施。海外居住中のへそくり術、教育資金のため方、老後資金準備法、相続対策などを得意としており、わかりやすさと包括的なアドバイスをモットーに活動中。各地の日本人向けフリーペーパーなどでも執筆協力している。
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タイでの入院費2011年&2017年
最初の入院は2011年。ちょうど洪水で大騒ぎになった年でした。
25歳で最初に発症した椎間板ヘルニアの症状が再発し、病院に担ぎ込まれそのまま入院。症状は軽かったようで手術はないものの、3日ほどの入院でした。
入院中は理学療法と投薬(抗炎症剤など)のみで、入院時にレントゲン撮影検査、退院前にMRIでの検査を行いました。退院時の請求額は当時で約THB60,000(約20万円弱)。幸い『国際医療保険』に加入していたので、保険会社が全額直接決済してくれました。
2回目は2017年10月。1回目と同じくヘルニアの症状でしたが、今回は痛みの度合いや治る速度の体感が前回とは全く異なりました。同じ3日間の入院期間ですが、退院時は、まだ歩行時も腰に違和感が残っている状態で、ベッドから起き上がるのも一苦労でした。
入院中の治療は、前回同様理学療法、注射での投薬及び経口投薬(抗炎症剤及び痛み止め)などの治療と、レントゲン撮影検査でしたが、請求額はTHB80,000(約25万円)と、MRIをしていないのに『医療費のインフレ』を体感しました。
海外居住者になる際の保険の選択肢
バンコク駐在にあたっての保険加入は、次のような選択肢がありました:
A)日本から海外旅行保険に加入していく
B)クレジットカードの付帯保険
C)住民票を抜かずに、国民健康保険に切り替える
D)居住先でのローカル保険もしくは、世界中でカバーされる国際医療保険に加入する
現在のようにマイナンバー制度も導入前で、『海外転居時は住民票を抜いておけば、市町村税なども発生しなくなる』という事の方を重視した結果、Cはあまり考えず、最初はクレジットカードの付帯保険で様子をみつつ、海外でのオプションを検討しようと思って出かけました。
従って、Aはせずに出国し、着任後、雇用主から提案されたDに、グループメンバーとして加入しました。ヘルニアでの2回の入院も、この国際医療保険に助けてもらう事となったわけですが、筆者の条件(43歳女性)では、年間の保険料は日本円で約15万円程度です。
クライアントからご相談を受ける場合、皆さん状況が異なりますから、色々なことを考慮する必要があります。大枠としてはタイにいる日本人の方々だと次のような種類の皆さんが挙げられると思います:
1)ロングステイヤー
2)現地就職組
3)現地起業組
海外居住者という意味合いでは、これに:
5)ワーキングホリデー
6)留学
などの皆さんが加ってくると思います。駐在員の皆さんは、日本の本社側で『海外旅行保険』や『旅行社傷害保険』と呼ばれる種類の保険に入っていらっしゃることが多いので、『相談者』リストには載せていません。
次回からは、このような皆さんに海外で与えられている医療保険のオプションについてお話していきます。
Text:田中ゆき恵(たなか・ゆきえ)
イギリスCII Award in Financial Planning認定者
Infinity Financial Solutions シニアコンサルタント