更新日: 2021.11.02 生命保険

生命保険、みんなどうしてる?

執筆者 : 宮﨑真紀子

生命保険、みんなどうしてる?
多くの家庭が生命保険に加入しています。わが家も加入しているけれど、隣の家庭はどの保険にどのくらい加入しているの? 生命保険のことをどう考えているの? やはり気になるところです。全国実態調査から、生命保険事情をひも解きます。
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

3年ごとの調査で見える加入状況の変化

コロナ禍の影響で自粛生活が続いています。何気なく交わしていた世間話をすることもなくなり、情報交換の機会は減りました。生命保険を考える時、それぞれの家庭事情により契約の内容はカスタマイズされます。
 
とはいえ、平均値を知って参考にしたい気持ちは誰にもあります。生命保険文化センターが「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査(速報版)」を9月22日に発表しました。その内容から、気になる数字をピックアップしてみます。
 

<調査要領>

調査地域:全国(400拠点)
調査対象:世帯員2人以上の一般世帯
回収数:4000
調査時期:2021年4月10日~5月16日

 
個人年金保険を含む生命保険の加入率は89.8%です。3年前の88.7%に比べ少し増加しています。世帯の年間払込保険料は平均で37.1万円となっています。こちらは減少傾向にあります。 
 

 
保険の種類別に加入率や平均的な内容を見てみます。
 

【死亡保障】

世帯の普通死亡保険金額は2027万円(前回2255万円)で減少傾向がみられます。内訳をみると世帯主が1386万円(前回1406万円)、配偶者692万円(前回767万円)です。
 

 

【医療保険・医療特約】

世帯加入率93.6%(前回88.5%)
疾病入院給付金日額 世帯主 9800円(前回9900円)
          配偶者 8100円(前回8400円)
 

【ガン保険・ガン特約】

世帯加入率66.7%(前回62.8%)
入院給付金日額は 世帯主 1万1500円(前回1万1800円)
         配偶者 9700円(前回1万100円) 
 

【個人年金保険】

世帯加入率24.3% 平均世帯年間払込保険料20.6万円 どちらも増加傾向
一時払いの場合の保険料の平均は571万円(前回726万円)となっています。
 

 
個人年金保険の加入世帯の基本年金年額(受け取る年金の年額)は世帯合計額(世帯主と配偶者の合計)で97.1万円(前回102.5万円)です。
 
給付開始年齢は60歳が31.7%(前回28.7%)65歳が30.7%(前回26.7%)70歳以上が10.3%(前回10.7%)です。
 

【介護保険・介護特約】

世帯加入率 16.7%(前回14.1%)
介護給付金月額 世帯主7.6万円(前回8.6万円)
        配偶者6.9万円(前回6.1万円)
 

【認知症・認知症特約】

世帯加入率 6.6%
(今回初調査のため、前回との比較はなし)
 

もしもの時に必要な資金はいくら?

現在行っている生活保障準備をたずねる質問の回答は、「世帯主の病気やケガの治療や入院した場合の医療費の準備」が一番多く、「世帯主が万一の場合の資金準備」「配偶者の病気やケガの治療や入院した場合の医療費の準備」と続きます。
 
世帯主に万一のことがあった場合に、残された家族に必要な金額に関しての質問には、平均年間必要額327万円、平均必要年数17.1年間で、必要総額は5691万円となっています。また世帯主が入院した場合に、健康保険診療の範囲外の費用として必要な金額は、平均月額24.2万円と回答されています。
 
これらの数字を鑑みて、加入者は必要な保障額を設定していると考えられます。生命保険に加入する場合、直近加入のチャネルを聞いた質問では、保険会社の営業職員から55.9%保険代理店の窓口や営業職員15.3%となっています。ネットではなく対面で個々の事情にあった商品の提案を受け、加入を決めているようです。加入チャネルに対する満足度84.9%、商品に対する満足度88.2%、商品・サービスに対する総合的満足度91.6%という数字になっています。
 

今後増やしたい準備項目は?

医療費や入院、万一の生活保障に関する備えはしているものの、今後の準備も必要です。今後増やしたい準備項目としては、「世帯主の老後の生活資金の準備」が32.4%で、3年前の調査が27.1%だったので5.3ポイントも増えています。「配偶者の老後の生活資金の準備」27.2%、「世帯主が要介護状態となった場合の介護資金の準備」25.6%と老後の生活への不安が表れています。
 
「長生きのリスク」という言葉がありますが、寿命が延びることで老後資金の枯渇や介護の心配があります。今後はこちらのリスクに備える準備に、ますます関心が高まると思います。個人的には、ニーズに応えるべく商品の充実を期待したいと思います。
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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