更新日: 2021.11.25 その他保険

扶養範囲のパート主婦も対象。社会保険の適用拡大はいつから?

扶養範囲のパート主婦も対象。社会保険の適用拡大はいつから?
今後社会保険の適用範囲が拡大し、現在扶養内で勤務しているパートの主婦であっても、扶養から外れ、勤務先にて社会保険の加入対象となる可能性があります。
 
今後扶養から外れ社会保険の加入対象とされるパート主婦には、どのような方が当てはまるのでしょうか。また、社会保険の適用範囲が拡大されるのはいつ頃からなのでしょうか。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

まずは現行制度について確認

現行制度においては、扶養内で働くパート主婦は基本的に月の出勤日数と時間が勤務先の通常の正社員などのフルタイム勤務者と同等、あるいはその4分の3未満である限り、夫の扶養に入りながらパート勤務することができるようになっています。
 
しかし、例外的に上記に満たない短時間の勤務であっても、社会保険に加入する必要が生じることがあります。それは下記の全ての条件に当てはまる場合です。

●既に社会保険に加入している従業員数が501人以上の勤務先に勤めている
●契約で決められた1週間の労働時間が20時間を超える
●残業代や賞与、通勤手当を除いた月の給与が8万8000円以上である(決まっていない場合は時間給×週の所定労働時間×52週÷12ヶ月で計算)
●1年を超える雇用期間の見込みがある(1年未満の場合でも更新がされる可能性があり、更新後1年を超える場合は対象になります)
●学生ではない

また、上記に当てはまらなくても労使間で社会保険への加入の合意がされているような職場で勤務する場合は、社会保険に加入することになります。
 

社会保険の適用拡大は2022年10月から段階的に

社会保険の適用範囲の拡大は段階的に行われます。時期としては1回目が2022年10月、2回目が2024年10月となります。それぞれの時期に分けてどう適用範囲が拡大していくか見ていきます。
 

2022年10月からの拡大

2022年10月からの拡大では、現行制度の基本そのままに、社会保険に加入している従業員数と雇用期間の要件が次のように変更され、より広い範囲のパート主婦が対象となる見込みです。

●既に社会保険に加入している従業員数が100人を超えている
●雇用期間が2ヶ月を超えて見込まれる

これにより、中小企業でパートしている多くの主婦が社会保険の加入対象となってくることが予想されています。
 

2024年10月からの拡大

2024年10月からはさらに加入対象が広がり、上記の変更に加え、既に社会保険に加入している従業員数が50人を超えている事業所までが対象になります。これにより2024年からは小規模な会社で勤務している多くのパート主婦も社会保険に加入することが予想されます。
 

出典:日本年金機構 令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
 

どうしても扶養に入りたい場合はどうする?

夫の扶養から外れてしまった場合、その他の条件が現在と同条件の場合、社会保険に加入することで将来の給付が手厚くなる反面、現在の手取りが減ってしまいます。この場合は労働時間を増やすことで、手取りを増やすことができます。
 
しかし、どうしても扶養に入りたいという場合は転職する、あるいは労働時間を現在より少なくすることになります。
 
また、勤務先にお願いして業務委託とするなど、雇用契約によらない働き方にすることで扶養に入り続けることが可能になります。
 
将来の給付を手厚くするか、扶養に入らない範囲で働くのがよいのかは現在の収支や各家庭のライフプランによって異なるため、収支について計算して十分に検討をしてみてください。
 

2022年10月からはパート主婦でも社会保険に加入する人が増える可能性が

2022年10月から社会保険の適用範囲が広がり、現在は社会保険に加入せずに扶養範囲で働けているパート主婦であっても、扶養から外れて社会保険に加入することとなる可能性があります。
 
特に従業員数100人、50人以上の勤務先に勤める方は要注意です。自分が適用対象となったときに慌てなくても済むよう、現在の自分の雇用条件について確認しておくとともに、今後の働き方について制度の変更を踏まえて今から考えておくとよいでしょう。
 
出典
日本年金機構 令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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