更新日: 2022.02.21 その他保険
パート・アルバイトの社会保険の適用が拡大。対象になるのはどんな人?
2022年10月から開始される社会保険の適用拡大では、そのパートやアルバイトに関する条件が緩和され、より多くの労働者が社会保険に加入できるようになります。
ここでは、社会保険の適用拡大によって新たに対象となるのはどのような人か、社会保険に加入することで何が変わるのかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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目次
社会保険の適用拡大の対象となるための5つの条件!
今回の社会保険の適用拡大によって、週の所定労働時間が20時間以上であること、月額賃金が8.8万円以上であること、2ヶ月を超える雇用の見込みがあること、学生ではないこと、勤め先の従業員数が101~500人であること、この5つの条件を満たしたパートやアルバイト従業員が新たに国民年金・国民健康保険から厚生年金保険・健康保険に変わることになります。
学生は対象外ですが、休学中や夜間学生は社会保険の適用対象になります。勤め先の従業員数が501人以上である場合は、すでに2016年10月から社会保険が適用されるようになっているため、今回の改正では、勤め先の従業員数の条件が101人以上に拡大されたことになります。
この適用拡大は、2022年10月から開始され、さらに2024年10月からは勤め先の従業員数の条件が51人以上になる予定です。
被扶養配偶者も対象になる!扶養基準と社会保険の適用条件に注意
現在では、被扶養者は年収が130万円未満の場合に、本人の保険料負担なしで国民年金や国民健康保険の対象になることができますが、年収が130万円以上になると国民年金や国民健康保険の保障内容に変化がほとんどないにもかかわらず保険料を支払うことになっています。
しかし、社会保険の適用が拡大されると、年収106万円以上で厚生年金・健康保険に加入でき、新たに保険料を払うことになりますが、社会保険の保障を受け取れるようになります。
このことで、被扶養配偶者は、年収106万円未満では本人負担なしの国民健康保険・国民年金加入者、年収106万円以上では本人負担ありの社会保険の対象となるため、今後は最適な被扶養配偶者の年収を考える際には、扶養基準の130万円ではなく社会保険の適用条件の106万円が重要になってくるでしょう。
社会保険が適用されることで、何が変わるの?
まず、支払う保険料が、個別に支払う国民年金保険料・国民健康保険料から給与から天引きされる厚生年金保険料・健康保険料に変わり、老齢年金、障害年金、遺族年金、健康保険がそれぞれ充実することになります。
老齢年金に関しては、老齢基礎年金に老齢厚生年金が上乗せされることで、年金受給額が増えることになります。障害年金に関しては、障害基礎年金に加えて、障害厚生年金が支給されることになります。
支給条件も、障害基礎年金のみでは1級から2級の障害を負った際の支給であるのに対し、障害厚生年金は1級から3級まで年金が支給され、それよりも軽度の場合も一時金として障害手当金が支給されます。
遺族年金に関しては、遺族基礎年金に遺族厚生年金が上乗せされ、被保険者の遺族への年金支給額が増える計算です。支払う保険料や受け取る給付金がどのように変わるかは、加入期間や年間給与額などによって異なります。
厚生労働省の特設サイトや日本年金機構のねんきんネットでは、年金額・保険料のシミュレーションが行えるため、今回の改正によって新たに社会保険が適用されることでどのように変わるのかを実際に確認することができます。
健康保険に関しては、傷病手当金と出産手当金が支給されるようになります。傷病手当金は、労災保険の給付対象外となる業務外で負った病気やけがによって休業した場合に、病休期間中の給与の3分の2相当が最長1年6ヶ月間にわたって支給される制度です。
出産手当金は、出産以前42日から出産以後56日までの範囲で、給与を受け取れなかった期間分の給与の3分の2相当が支給されます。
今回の社会保険の適用拡大では、勤め先の従業員数の条件が緩和された!
2022年10月から開始される社会保険の適用拡大では、勤め先の従業員数の条件が501人以上から101人以上に緩和されます。
その他、週の所定労働時間が20時間以上であること、月額賃金が8.8万円以上であること、2ヶ月を超える雇用の見込みがあること、学生ではないことの5つの条件を満たしたパートやアルバイト従業員が新たに社会保険に加入できるようになります。
まずは自身が新たな制度の対象になるのか、確認してみてください。
出典
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員