更新日: 2022.03.29 保険

人生の節目に行いたい保険の見直しと、気を付けたい先進医療特約

執筆者 : 當舎緑

人生の節目に行いたい保険の見直しと、気を付けたい先進医療特約
コロナのニュースが途切れることのない2022年ですが、ワクチンを打っていない子どもにまで感染が及んだことで、濃厚接触者になったという知らせが意外と近くから聞かされることがあります。
 
筆者は仕事上、何か受給できるものがないのか聞かれることが多いものです。今回は、公的保険以外の民間の保険について考えてみましょう。
 
當舎緑

執筆者:當舎緑(とうしゃ みどり)

社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。

阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。著書は、「3級FP過去問題集」(金融ブックス)。「子どもにかけるお金の本」(主婦の友社)「もらい忘れ年金の受け取り方」(近代セールス社)など。女2人男1人の3児の母でもある。
 

保険のキホン ― コロナで保険給付は受け取れる?

医療機関を受診しない、みなし療養という制度ができています。公的な給付である傷病保険金制度では、自宅療養でも受け取れます。ただ、支給が開始されるのは休業してから4日目からですから、4日目から7日もしくは10日までと考えると、給付金の対象となる日数は意外と短いものです。
 
そして、公的保険の対象になるから民間の保険金が受け取れるかというと、同じようにはいきません。新たに、新型コロナを含む所定の感染症で給付金が受け取れるという民間保険も販売されていますが、急に「保険を見直す」もしくは、「保険に入り直す」というのは難しいものです。
 
かつては、5日以上など一定期間入院しないと給付金は支給されませんでしたが、近年は日帰りの入院にも給付金が出たりして、保険は進化しています。
 
実際に新型コロナを発症して保険給付の対象となるケースもありますが、「濃厚接触者」になった後に発症して「自宅療養」になったケースなど、病院の診断書が取得できない場合に、給付の対象となるかどうかは保険会社によって、判断はまちまちだといえるでしょう。
 
考えられるあらゆるリスク、例えば、がんになったとき、3大疾病(注1)になったとき、7大疾病(注2)になったとき、これらすべてに対応しようとすると、当然保険料も高くなります。
 
新型コロナ禍での経済状況の悪化から、保険料の払い込みに関して保険会社は猶予期間を設けるなど、特別措置が設けられていますが、支払わなくてもよくなるわけでありません。
 
(注1)がん・心疾患・脳血管疾患
(注2)(注1)の疾患に加え、糖尿病・高血圧性疾患・肝硬変・慢性腎不全
 

先進医療は「先進的な医療」だが、受けられる状況は限られる

先進医療は特約という名のとおり、単独で契約するものではありません。決まった病院で決まった先進医療技術を受けた場合に支給されます。かかりつけ医などで、ちょっとした自由診療を受けたなどというケースでは、支給を受けるのは難しいでしょう(※)。
 
ただ、この先進医療を自費で受けると、負担がかなり高額になるということから、保険料のわりに効果が高い、お得ということで、ぜひとも加入しておいたほうがよいと、民間保険に加入する際すすめられる特約の1つです。
 
ところが、お守りがわりの安さということで、複数加入すればよいかというと、筆者としては「そうともいえない」という判断になります。
 

先進医療特約を契約する際には確認を忘れない

令和3年1月21日、ある事案の裁定打ち切りという内容が公開されました。事案の内容としては、以下のようなことです(出典:一般社団法人 生命保険協会「[事案30-256]先進医療給付金支払請求」)。
 
重大事由による契約解除の取り消し、および先進医療給付金等の支払いを求めて申し立てのあったものという事案です。
 
これは老人性白内障(初発白内障)により手術を受け、医療保険にもとづき、給付金を請求したところ、約款上の重大事由に該当するとして契約が解除されたうえ、先進医療・入院・手術給付金が支払われなかったということが申し立ての理由です。
 
この申立人は、同時期に4社と契約しています。約款に「被保険者にかかる給付金額等の合計額が著しく過大で、保険制度の目的に反する状態がもたらされる恐れがある場合」に、保険契約を解除できる旨の主張が保険会社から主張されたのです。
 
これだけみると、先進医療は重複して受けられないと早合点してしまうかもしれません。ただ、必ずしもそうではありません。専門家に聞いても、それぞれの民間保険から先進医療特約が支給されるといわれることはあります。
 
通常、保険に加入する際には、細かい字が並んでいる約款を詳細に読み込むという方はあまりいらっしゃらないでしょう。保険募集人に説明してもらっても、すべて理解できるほど保険は簡単ではありません。
 
他人に「お得か損か」と判断を任せず、自分はどうなのか問い合わせることが大切です。
 
出典
(※)厚生労働省 当該技術を実施可能とする医療機関の要件一覧
 
執筆者:當舎緑
社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。

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