更新日: 2022.03.31 保険

「傷病手当」だけで足りる? 働けなくなったときの就業不能保険とは?

執筆者 : 中村将士

「傷病手当」だけで足りる? 働けなくなったときの就業不能保険とは?
病気やケガで働けなくなったとき、家計を支えるセーフティーネットは必要です。セーフティーネットとしては「貯蓄」と「保険」が考えられます。
 
保険には「社会保険」と「民間保険」がありますが、どの保険が利用できるかをご存じでしょうか。「使えると思っていた保険が使えない」「保険には加入しているがそれで良いのか分からない」という方は、少なくないと思います。保険を見直すなら、支払っている保険料だけでなく、保障されている内容や受け取れる保険金についても、理解しておく必要があります。
 
中村将士

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

基本は傷病手当金

保険で基礎となるのは、社会保険です。病気やケガで働けなくなった場合、社会保険からは「傷病手当金」を受け取ることができます。しかし、この傷病手当金は、健康保険の被保険者に対して支払われるものであり、原則として、国民健康保険の被保険者には支払われません。
 
つまり、サラリーマンには支払われるものの、その被扶養者や個人事業主には支払われないということです。
 
健康保険で、傷病手当金を受け取ることができるのは、以下の条件を全て満たしたときに限られます。

●業務外の病気やケガで療養中であること
●療養のための労務不能であること
●4日以上仕事を休んでいること
●給与の支払いがないこと(一部支払いがあるときは、減額支給)

支給額(1日当たりの金額)は、以下の式によって算出された額になります。

(支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額)÷ 30日 × 2/3

例えば、「支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額」が27万円の場合、1日当たりの金額は6000円(=27万円÷30日×2/3)となります。なお、傷病手当金を受け取れる期間は、支給を開始した日から通算して1年6ヶ月です。
 

民間保険の就業不能保険

社会保険で足りないときは、民間の保険でカバーする必要があります。病気やケガで働けなくなった場合に保障する保険は「就業不能保険」です。病気やケガで働けなくなったときのために保険に加入しておきたい方で、傷病手当金を受け取れない方や傷病手当金では足りないと思われる方は、就業不能保険への加入を検討するべきでしょう。就業不能保険は、多くの生命保険会社で取り扱われています。
 
就業不能保険の保障内容や保険料(支払うお金)、保険金(受け取るお金)は、取り扱う会社ごとに異なります。このため、まず押さえておきたいのは保障内容です。就業不能保険は「病気やケガで働けなくなったときのための保険」ですが、一口に「病気やケガ」といっても、その内容が保険会社ごと、保険商品ごとに異なるので注意が必要です。どのようなときに保障が受けられるのかは、加入する前にきちんと理解しておきましょう。
 
就業不能保険の保険料、保険金、免責期間を大ざっぱに捉えると、以下のようなものになります。

月払い保険料 1800円~3000円程度
月額給付金 10万円
免責期間 なし、または60日

※価格.com保険 「就業不能保険比較」より筆者作成
 
月額給付金10万円は、1日当たりの金額にするとおよそ3000円です。
 
免責期間とは、責任を負わない期間、つまり保険金が支払われない期間のことです。免責期間が60日ということは、責任開始日から60日間は保障の対象とならず、61日目から保障されるということです。なお、保険金の受取期間は、就業不能状態が終了するまで、もしくは保険期間満了までとなります。
 

まとめ

病気やケガで働けなくなったとき、家計を支えるのは貯蓄と保険です。本記事では保険に焦点を当て、「傷病手当金」「就業不能保険」について解説しました。
 
傷病手当金は、原則として健康保険の被保険者しか受け取ることができない給付金です。給付金額は標準報酬月額によって異なります。サラリーマンの方は受け取ることができますが、被扶養者や個人事業主は受け取ることができません。
 
1日当たりの給付金額は、本記事に記載した計算式によって、おおよそいくら受け取れるか計算することができます。給付期間は支給を開始した日から通算して1年6ヶ月となります。
 
就業不能保険は、民間の生命保険会社が提供する保険商品です。傷病手当金の代わりに、あるいは傷病手当金の補完するものとして位置付けることができます。保障内容、保険料、保険金、免責期間などは、保険会社によって異なります。
 
大切なのは、保険の内容をきちんと理解しておくことです。お金を管理することは、「お金に役割を与えていること」ともいえます。保険に関していえば、その内容を理解していないことは、きちんとお金を管理できていないことになります。この機会に、他の保険の内容も見直してみてはいかがでしょうか。
 
出典・参考
全国健康保険協会 「傷病手当金について」
価格.com保険 「就業不能保険比較」
アクサダイレクト生命 「アクサダイレクトの働けないときの安心」
ライフネット生命 「就業不能保険」
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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