更新日: 2022.04.18 保険

高額療養費制度があっても医療保険が必要な理由とは?

高額療養費制度があっても医療保険が必要な理由とは?
病気やけがの治療費が高額になっても、高額療養費制度を利用すれば、自己負担上限額を超えた部分のお金が戻ってきます。
 
この制度を利用すれば、民間の医療保険に加入しなくてもよいのでしょうか。
 
本記事では、高額療養費制度とは何か、制度の対象となるもの、ならないものなどを詳しく解説します。医療保険に加入しようか悩んでいる人は、高額療養費制度の仕組みを正しく理解しましょう。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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高額療養費制度とは

高額療養費制度とは、医療機関や薬局などの窓口で支払った金額が、1ヶ月の自己負担上限額を超えた場合に、超えた金額が還付される制度です。ここでは、1ヶ月とは、1日~末日のことをいいます。
 
複数回の受診や、同じ世帯で暮らす人が受診した場合も、「世帯合算」ができます。ただし、同じ医療保険に加入している人に限るため、その点には気を付けてください。
 
また、過去12ヶ月以内に、3回以上利用して上限額に達した場合には、4回目から「多数回該当」となるため、上限額が下がる点に注意してください。
 

上限額は年齢や所得で変わる

高額療養費制度の自己負担上限額は、年齢や所得によって変わります。まず、69歳以下の場合は、図表1のようになります。
 
図表1

適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと)
年収約1160万円~
健保:標報83万円以上
国保:旧ただし書き所得901万円超
25万2600円+(医療費-84万2000)×1%
年収約770~1160万円
健保:標報53~79万円
国保:旧ただし書き所得600~901万円
16万7400円+(医療費-55万8000)×1%
年収約370~770万円
健保:標報28~50万円
国保:旧ただし書き所得210~600万円
8万100円+(医療費-26万7000)×1%
~年収約370万円
健保:標報26万円以下
国保:旧ただし書き所得210万円以下
5万7600円
住民税非課税者 3万5400円

出典:厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)より筆者作成
 
次に、70歳以上の場合は、図表2のようになります。70歳以上の場合は、外来だけの自己負担上限額も設けられています。
 
図表2

適用区分 外来(個人ごと) ひと月の上限額(世帯ごと)
年収約1160万円~
標報83万円以上
課税所得690万円以上
25万2600円+(医療費-84万2000)×1%
年収約770~1160万円
標報53万円以上
課税所得380万円以上
16万7400円+(医療費-55万8000)×1%
年収約370~770万円
標報28万円以上
課税所得145万円以上
8万100円+(医療費-26万7000)×1%
年収約156~370万円
標報26万円以下
課税所得145万円未満等
1万8000円
(年14万4000円)
5万7600円
II 住民税非課税世帯 8000円 2万4600円
I 住民税非課税世帯
(年金収入80万円以下など)
8000円 1万5000円

出典:厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)より筆者作成
 

高額療養費制度があれば医療保険はいらない?

高額療養費制度は、急な入院などにより医療費が高額になったとき、自己負担上限額を超えた金額が還付されます。もし、先に手術の予定がわかっていれば、事前に申請しておくと窓口で支払う医療費は自己負担上限額のみで済みます。
 
それでは、高額療養費制度があれば民間の医療保険へ加入する必要はないのか、この見出しで、2つのポイントに分けて解説します。
 

高額療養費の支給対象外がある

高額療養費は、保険適用される診療に対して、患者が支払った自己負担額が対象です。したがって、「食費」や「居住費」、患者の希望によって変えられる「差額ベッド代」などは対象外です。また、「先進医療にかかる費用」も、高額療養費の対象外として扱われます。
 
このことから、入院にかかるすべての費用が高額療養費でカバーできるわけではないため、先進医療を受ける可能性のある人や、入院時に個室を希望する人は、医療保険に加入したほうがよいでしょう。
 

支給までに3ヶ月ほど時間がかかる

高額療養費は、申請したあと支給までに3ヶ月ほど時間がかかります。理由は、レセプトといわれる「診療報酬の請求書」が確定したあとに審査が行われるのですが、そのレセプトの確定までに一定の時間がかかるからです。
 
もし医療保険に加入しておけば、もっと早く給付金を受け取ることができるため、高額療養費の審査に通って、お金が還付されるまでの生活をしっかりとカバーできるでしょう。
 
また、無利息で借りられる「高額医療費貸付制度」もありますが、必ず制度が利用できるかは個人によって異なるため、このようなことから医療保険に加入しておいたほうが安心です。
       

何かあったときのために医療保険には加入しよう

高額療養費制度を利用すれば、自己負担上限額以上の医療費が還付されるため、病気やけがで入院したときも安心です。
 
しかし、高額療養費は対象外の医療費もあるため、差額ベッドや先進医療を利用する人は、民間の医療保険に加入したほうが安心です。また、申請から支給までに約3ヶ月の時間がかかるため、その期間の生活を支えるためにも、医療保険は重要だといえるでしょう。
 
出典
厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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