医療保険に入るべき? 年収900万貯蓄は3000万です

配信日: 2022.04.27

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医療保険に入るべき? 年収900万貯蓄は3000万です
国税庁の統計によれば、令和2(2020)年の日本における平均給与は433万円です。これらの数字を踏まえると、年収900万円、貯蓄3000万円というのはかなりの高収入かつ資産があるといえるでしょう。
 
このように、世間一般から見て高年収で貯蓄もたくさんある場合、医療保険に入るべきか、入るならどのような医療保険を選ぶべきか、わかりやすく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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会社員で子どもなし、共働きならマストではない

最初に、夫婦共働きかつ子どもがいない場合を考えてみましょう。この場合、医療保険には必ずしも入らなくていいかもしれません。一般的に、手取り収入の3~6ヶ月までを生活防衛費として用意しておくのが良いとされていますが、貯蓄が3000万円もあるなら、この水準はクリアできています。
 
また、日本では一部の例外を除いて公的医療保険による治療を受けることが可能です。加えて、高額療養費制度も用意されているため、自己負担額が一定額を超えた場合、超えた部分については負担しなくてかまいません。さらに、会社員や公務員など、勤務先を通じ公的医療保険に加入している人であれば、最大1年6ヶ月まで傷病手当金を受け取れます。
 
つまり、長期の療養を必要とする病気やケガをしても、医療費が際限なく膨れ上がるのは考えにくい状況です。また、病気やケガで仕事を休むからといって、すぐに収入が途絶えるわけでもないでしょう。
 
さらに、パートナーが働いているなら、その分の収入が入ってきます。このような背景を考えると、会社員で子どもがいない共働き夫婦であれば、必ずしも医療保険は必要ないともいえるでしょう。
 

フリーランス、子どもあり、どちらかが専業主婦(夫)なら必要

一方、夫婦のどちらか(もしくは両方)が自営業・フリーランスである場合は、医療保険の必要性が高まります。会社員・公務員のように傷病手当金が受け取れるわけではないので、仕事ができない間は貯金を切り崩すしかなくなるからです。
 
また、子どもがいる場合も、医療保険には入っておいたほうが良いでしょう。家族の療養と子育てを両立させるのは、並大抵のことではありません。外食やお弁当・お惣菜のテイクアウトに頼ったり、家事代行やベビーシッターを呼んだりなど、人に頼めることは頼まないと体力的に持たなくなります。
 
しかし、人に頼むにはお金もかかるため、医療保険でその費用を捻出するのも一つの手段です。
 
加えて、どちらか一方が専業主婦・主夫である場合も、医療保険の必要性は高まります。仮に、夫が会社員、妻が専業主婦という家族構成であった場合、夫が病気・ケガで仕事を休む羽目になると、収入が一気に減ってしまうためです。
 
妻がパートに出たり、在宅ワークをしたりという選択肢もありますが、すぐに仕事が決まるとは限りません。また、看病や家事・育児を両立させなくてはいけない以上、常に働けるとも限らないでしょう。
 

医療保険は掛け捨てで十分

仮に、ある程度の貯蓄がある状態で医療保険に入るなら、掛け捨て型のもので十分です。医療保険を「支払った保険料がどうなるか」で大きく分類すると、貯蓄型と掛け捨て型に分けられます。貯蓄型は、病気・ケガをしたときに保険金や給付金が受け取れるのに加え、支払った保険料の一部が満期返戻金・解約返戻金という形で戻ってくるタイプの商品です。
 
一方、掛け捨て型は病気・ケガをしたときに保険金や給付金は受け取れますが、貯蓄型のように満期返戻金や解約返戻金はありません。ある程度の貯蓄があるなら、あくまで「病気やケガをしたときの備えとして」医療保険があれば良いので、貯蓄型よりも保険料が安く設定されている掛け捨て型のもので十分かもしれません。
 

家族の生活にどれだけ影響が及ぶかを踏まえて決めるべき

医療保険はあくまで「病気・ケガをした際に経済的に不自由しないようにするため」の商品です。そのため、自分たちにとって必要かどうかは、病気・ケガが家族の生活にどれほど影響を及ぼすかを踏まえて考えましょう。
 
また、高額療養費制度や傷病手当金など、病気やケガをしたときに利用できる公的な制度も併せて確認することをおすすめします。
 

出典

国税庁 令和2年分民間給与実態統計調査
厚生労働省 我が国の医療保険について
厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
全国健康保険協会(協会けんぽ) 病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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