訪問診療サービスの利用料、平均でどのくらいかかる? 健康保険は適用される?
配信日: 2022.05.09
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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訪問診療サービスとは
訪問診療サービスとは、医師が事前に計画したスケジュールに基づいて、在宅している患者を訪問し、経過を観察するサービスです。事前に日にちを決定していることもあり、周期を決めて定期的に訪問し、診療や治療を行うほか、必要に応じて薬の処方も行います。
また、訪問診療の際には、療養を行っていくうえでの相談や指導なども行います。さらに、患者の家族の方から相談を受けた際には、これまでの状況を詳しく聞き取るとともに、必要に応じてかかりつけの医療機関からの情報収集も行います。
そして、そのうえで今後どのような治療を受けたいかについて、本人や家族の介護能力や経済的な事情を踏まえ、診療計画や訪問治療のスケジュールを組み立てます。
また、患者の状態が急変した際には訪問するほか、必要に応じて入院の手配を行うなど、臨機応変なサポートを行えることが訪問診療サービスの特徴となっています。原則として、24時間体制で在宅療養をしている患者のサポートを行う点が、訪問診療サービスの最大の特徴といえるでしょう。
■往診との違いは?
往診とは、患者からの依頼を受け、その都度医師が患者の家を訪問し、診療を行うことです。持病を抱えている患者の容体急変時に対応するケースが多いことから、往診を行うにあたっては、そのまま入院となるケースが多い点も訪問診療サービスと異なる点です。
訪問診療サービスの利用料
では、実際に訪問診療サービスを利用する場合、どれくらいの費用負担になるのでしょうか。
■保険適用範囲内であれば、自己負担額
診療内容が保険適用の範囲内であれば、自己負担額のみで収まります。例えば、1回の訪問診療にかかった費用が1万円であれば、1割負担であれば1000円の負担で済みます。
ただし、別途検査(採血検査など)を行った場合は、その費用がかかります。がんなどの治療の場合であっても保険適用となりますので、基本的には自己負担額の範囲内で収まると考えておいてよいでしょう。
■平均的な利用料は?
例えば、1ヶ月に2回程度の訪問診療を受けるスケジュールとなっていれば、処方箋の交付も含めて約7万円となりますが、実際に負担する額は7000円(一割負担の場合)くらいになるイメージです。
ただし、処方した薬について配送を希望する場合は、配送料が別途発生する点には注意が必要です。
高額医療費制度の利用は可能?
訪問診療サービスの利用料が高額になった場合には、高額医療費制度を利用できます。高額医療費制度は、その月の自己負担額が一定以上になった場合に、超過分の払い戻しを受けることができる制度です。
自己負担額の上限は患者の年齢や所得によって異なりますので、加入している健康保険に問い合わせてみましょう。
訪問診療サービスを利用できる人とは?
希望すればすべての人が訪問診療サービスを利用できるわけではありません。訪問診療サービスを利用できる人の要件として「在宅療養中であり、通院することが難しい状態であること」とされていますが、具体的には以下の状態にある人が利用できます。
・在宅での療養を強く希望している
・通院が困難である
・寝たきり、もしくはそれに準ずる状態である
・退院後、自宅で療養している
・在宅酸素など、医療管理が必要である
・在宅での緩和ケアを希望している
■訪問診療サービスの内容とは?
訪問診療サービスでは、点滴や酸素療法のほか、医療管理などの措置が行われます。また、認知症のケアや床ずれなどの処置も受けられます。そのうえで入院治療が必要だと判断された場合には、患者の家族との相談のうえ、医療機関との連絡、および入院の調整も可能です。
■訪問診療サービスの利用の流れ
訪問診療サービスを利用するには、まず訪問診療サービスを受けたい病院に相談することから始まります。その際には、患者の病状や家族構成、さらには訪問診療の際にどんな治療を希望しているのかを、医師が患者本人や家族から聞き取ります。
その後、医師が患者の自宅を訪問し、本当に訪問診療サービスが必要かどうか、必要であればどのような治療が必要なのかを考え、診療計画をまとめていきます。そして、本格的に訪問診療サービスが開始されます。
まとめ
訪問診療サービスは、緊急の検査などの面においては通院には劣りますが、在宅での診療を望む方にとっては、非常にありがたい制度といえます。もし、本人が利用を希望しており、病院と相談のうえ、利用が可能となった場合は積極的に利用したいサービスです。
そのためにも、在宅での看護が必要な状態になったら、家族との話し合いの時間をしっかりと持つことが大切だといえるでしょう。
出典
日本訪問診療機構 訪問診療について
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員