更新日: 2022.06.01 その他保険
家計のスリム化に効果あり!? 保険見直しで気をつけること
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
家計のスリム化を考えるときに、保険の見直しが有効な理由
エネルギー資源の高騰など、さまざまな理由から生活必需品の値上げが続き、家計を圧迫しています。支出を抑えるために、スマホのプラン変更や食費の節約など、日々の暮らしの中で工夫されている方も多いと思います。
家計のスリム化を考えるときに、着手しやすい項目の1つとして「保険の見直し」が挙げられますが、そこには3つの理由があります。
【苦しい思いをしなくてすむ】
“節約”というと、「欲しいものを買うことをがまんすること」がつきものです。遊びに行く、洋服を買う、友だちと食事をする……このような楽しいことを減らす、そこには負のイメージがあります。
保険の見直しに関しては、見直し後、見直す前に比べて上記のような“苦しい思い”や“がまん”はありません。
保険の見直しをした人が全員節約できるわけではありませんが、節約できた人や同じような保険料で充実した保障内容に変えることができた人を、筆者は数多くみてきたことは事実です。一考の価値はあると思います。
【一度の見直しで節約の効果が続く】
見直しをして保険料の節約ができたら、その効果が持続することも大きなメリットです。
毎月1000円の保険料を節約できれば、年間1万2000円になります。銀行口座やクレジット決済で保険料が引き落とされると実感は少ないかもしれませんが、意外と大きな効果を持続的に得られることは、家計にとって良い影響でしょう。
【自分の加入目的と加入中の保険の内容が一致していないことがある】
保険に加入する目的は人それぞれです。自分や家族の状況は年々変化しますので、加入時に欲しかった保障内容と、今欲しい保障内容の間にズレが生じることがあるはずです。
家庭環境に変化が生じているのに、ずっと同じ保険に加入したままということがあります。家計のスリム化は保険を見直す絶好の機会になります。
自分の希望にピッタリの保険商品
冒頭に“保険の見直しを希望する相談者が増えた”と書きました。この相談者の方々は、転職や子どもさんの独立など、それぞれにライフステージに変化があり、主に保険の見直しをするきっかけがあったケースです。
「加入中の保険が、どうも今の生活にミスマッチな感じがするので、どのように見直したらよいか教えてほしい」というセカンドオピニオンを求められることが、筆者への相談で増えているように感じます。
ライフステージに大きな変化がなかったとしても、自分の生活環境と加入している保険があっているか否かのチェックをしてみると、そこには見直しの余地があると思います。また、保険商品の内容は年々変化しています。
例えばシニア向けの商品に目を向けると、テレビCMで見かけるように、高齢でも加入できる商品は増えています。介護保険も、支払い要件がこれまでの要介護3から要介護1になるなど、商品のバリエーションが広がっています。
これまでシニア層の間では、「入れる保険は少ない」「入れても保険料が高い」というのが一般的な意見でした。「思うような商品がない」と諦めていた人にとっても、商品開発が需要に追い付いている場合もあります。検索してみると、過不足なく自分の希望にピッタリの保険が見つかるかもしれません。
保険の勧誘を受けて、お勧めの保険に加入した……随分前には、こういった動機で保険に加入した人も多くいました。最近は、能動的に保険ショップなどで相談されることが増えたように感じます。
長く保険を扱っている保険のプロに取材をしました。保険加入に関して最も大切なことは、“加入する目的”だそうです。「勧める(お客さまにとっては“選ぶ”)保険商品が目的と合っているか、そのことを軸に考えると、間違った商品を選んでしまう失敗は少ない」との話でした。
目新しかったり、お得そうに見えたりする商品が気になり、本来の目的とは違ったモノを選んでしまう。日常生活でも陥りやすいわなですが、保険選びにも通じる点を肝に銘じたいです。
最後に、終身保険の中には予定利率が高い時期に販売された、いわゆる“お宝保険”と呼ばれるものがあります。こういった保険は、なるべくなら解約は避けたい商品です。続けることが困難になった場合は、払い済み保険にしたり部分解約をしたりする方法もあります。
加入中の保険を生かす出口戦略が複数あることも知っておくとよいでしょう。
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士