【目から鱗】PCR検査を「保険適用」にする方法って? 全額自費になる場合もあるって本当?
配信日: 2022.06.16
保険が適用にならない場合、検査料は全額自費になり、適用になれば無料です。保険適用で検査を受けるには、医師の問診の際に伝えるべきポイントがあります。
PCR検査を受けた3人を例に説明していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
「体調不良でPCR検査」自費検査になったのはなぜ?
体調不良で病院に行ったAさん。居住地の感染者が増えていて心配だったので「とにかく新型コロナウイルスのPCR検査をしてください」と伝えたところ、検査を行うことはできましたが支払いは自費でした。自費検査が当たり前なのかなと思っていたのですが、同様に体調不良で咳(せき)がひどく、病院に行ったBさんは無料で検査を行うことができたと聞き、疑問に思うようになりました。
Bさんは医師に症状を説明してPCR検査を受けるべきか相談したと言います。加えて、特に症状がなかったCさんも自己負担なしで検査を受けることができたと聞き、納得がいきません。Cさんの夫は新型コロナウイルスに感染して発熱していますが、Cさん自身は無症状です。なぜAさんだけが自費検査になったのでしょうか。
「行政検査」と「自費検査」を分ける2つの基準とは
新型コロナウイルスの検査には「行政検査」と「自費検査」があります。このうち、保険適用になり、無料で検査を受けることができるのは行政検査に当てはまる場合のみです。
適用となる条件は「発熱や咳などの症状がある」「感染者の濃厚接触者(新型コロナウイルスに感染していることが確認された方と近距離で接触、あるいは長時間接触し、感染の可能性が相対的に高くなっている方)」。それ以外のケースは原則として自費検査になります。
Aさんは体調不良でしたが、発熱や咳といった症状を医師に伝えずに「PCR検査をとにかくしてほしい」と要望しています。対して、Bさんは症状について相談したため「発熱や咳などの症状がある」という条件に当てはまり、行政検査の対象となりました。また、Cさんは同居している夫が新型コロナウイルスに感染しており「感染者の濃厚接触者」という条件に当てはまりました。
よってBさんとCさんは支払いのない行政検査になり、Aさんだけが自費検査になったのです。
咳や発熱、濃厚接触者の可能性について正確に伝えることが大事
PCR検査を受けようと考える人の中には、新型コロナウイルスの感染が強く疑われるケースのほかに、イベントへの参加や出張、帰省の前に念のため検査を受けるというケースがあります。「とにかくPCR検査を受けたい」と主張するばかりで詳しい説明を怠りますと、PCR検査を受けるべき必要性の判断がつかず、行政検査に当てはまらないと判断される可能性があります。
もちろん、無症状で濃厚接触者でもないが、念のためPCR検査を受けたいという場合は、偽ることなく自費で検査を受けなければなりませんが、体調不良で病院に行く際には、咳や発熱があるかどうか、また濃厚接触者に当たるかどうかを医師に正確に伝える必要があります。
自費で検査を受けることを前提にした医師不在の検査機関で行政検査は受けられないため、気になる症状がある場合は医療機関に連絡するようにしましょう。
詳しい症状を伝えずにPCR検査を受ける場合は自費になる可能性が高い
病院でPCR検査を受ける際に「体調が悪いからとにかくPCR検査を受けさせてほしい」と言うだけですと、支払いが全額自費になる可能性が高いです。一方で「熱があるし咳もひどい。どうしたらよいでしょうか」と症状を伝えた上で、医師がPCR検査を行うことを判断した場合は行政検査になるため、費用はかかりません。
体調が悪いときにはすぐに検査を行ってほしいと思うかもしれませんが、行政検査の対象者なのに自費検査にならないためにも、発熱や咳の症状がある場合は必ず伝えるようにしましょう。
出典
厚生労働省 社会経済活動の中で本人等の希望により全額自己負担で実施する検査(いわゆる自費検査)について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部