更新日: 2022.07.01 自動車保険

「自賠責保険」と「任意保険」の違いとは？自動車保険の補償内容を解説

執筆者 : 古田靖昭

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自動車保険には、強制加入の「自動車損害賠償責任保険（自賠責保険）」と任意加入の「自動車保険」の2種類があります。

自賠責保険は加入しなければ罰則があるものの、その補償だけでは足りないと感じる人も多いでしょう。本記事では、自動車保険の種類や補償内容について解説します。

執筆者：古田靖昭（ふるたやすあき）

二級ファイナンシャルプランニング技能士

1 自賠責保険と任意保険の違い
2 任意加入の自動車保険の主な補償内容
3 自動車保険に加入するには

自賠責保険と任意保険の違い

自賠責保険と任意保険の特徴と違いをご紹介します。

自賠責保険の特徴

自賠責保険は、自動車損害賠償責任保険を略したもので、自動車や原動機付自転車といったすべての車の所有者に加入が義務付けられた保険です。

もし自賠責保険に未加入で運転した場合であれば1年以下の懲役または50万円以下の罰金、そして免許停止処分を受けることになります。また、自賠責保険の加入証明書の未携帯も30万円以下の罰金が科せられます。

自賠責保険の補償範囲は、運転手と車両名義人である運行供用者以外の人を対象としています。補償限度額は、対人賠償のみの補償で傷害120万円、死亡3000万円、後遺障害は障害の程度に応じて最高額が4000万円です。対物賠償などの補償はありません。

自賠責保険は、最低限の補償と考えて必要に応じて任意保険に加入しておくことをおすすめします。

任意保険の特徴

任意保険には、図表1のように4つの補償に対して7つの保険があります。

出典：チューリッヒ保険会社「自動車保険の種類はどんなものがあるの？」より筆者作成

自賠責保険は、図表1のうち、対人賠償保険に入る保険です。そして図表1のとおり、対人賠償保険のほかに、契約者や同乗者を含む補償、自分の車の補償があり、すべての補償に備えた加入方法や、保険料を抑えて一部の補償を重視して他は最低限の補償にするなど、加入方法はさまざまあります。

任意加入の自動車保険の主な補償内容

任意加入の自動車保険である7つの保険について、主な補償内容をご紹介します。

対人賠償保険

対人賠償保険は、自動車事故において、相手にけがをさせたり、死亡させたりした場合に補償する保険です。自賠責保険の支払額を超える部分に対して保険金が支払われます。

対物賠償保険

対物賠償保険は、自動車事故において、他人の車や家屋、店舗などの財物に損害を与えた場合に補償する保険です。もし、店舗で営業できなくなるような損害を与えた場合、休業損失も補償の対象となります。

人身傷害補償保険

人身傷害補償保険は、自動車事故において、契約者を含めた乗用中の人にけがをさせたり、死亡させたりした場合に補償する保険です。交通事故の過失割合に関係なく補償されることや、治療費、休業損害なども含まれているため、補償範囲が広い保険といえます。

搭乗者傷害保険

搭乗者傷害保険は、自動車事故において、契約者を含めた乗用中の人にけがをさせたり、死亡させたりした場合に補償する保険です。

内容は、人身傷害補償保険と重なる部分が多いものの、2つの保険には違いがあります。人身傷害補償保険の場合、損害額が確定しなければ保険金を受け取れず、搭乗者傷害保険の場合、損害額が確定する前に、けがで入院した場合には入院給付金、死亡の場合には死亡給付金が支払われます。

自損事故保険

自損事故保険は、自分自身で起こした単独事故や相手に過失がない事故において、契約者を含めた乗用中の人にけがをさせたり、死亡させたりした場合に補償する保険です。

無保険車傷害保険

無保険車傷害保険は、任意保険未加入や補償内容が不十分な車との間に事故が起きた場合、運転者または乗用中の人が死亡、または後遺障害を負った場合に相手の支払い能力がないなどの理由で、十分な賠償を受けることができない場合に保険金が支払われます。

車両保険

車両保険は、自動車事故において、契約した車に損害が発生した場合に補償する保険です。車同士の衝突や自損事故などの車両事故、さらに当て逃げされた場合などにも対応しています。

自動車保険に加入するには

自賠責保険は、強制加入の対人賠償保険で、任意保険には各種さまざまな補償がある保険を取り揃えています。自動車を土日しか乗らない場合や、平日のみに乗る場合など人によって自動車保険の備え方はさまざまです。

任意加入の自動車保険は、自分にあった保険に加入することで、補償を十分取れるだけではなく無駄な保険料を支払う必要もなくなるでしょう。