更新日: 2022.07.04 その他保険
子どもがいる人は検討しておきたい、加入したほうがいい保険って?
子どもが被保険者となる保険には、さまざまなタイプがあるため、一概に必要か不要かを断言できるものではありません。この記事では、子ども対象の保険について、必要性の有無と選択をする際のポイントについて解説します。
執筆者:遠藤功二(えんどう こうじ)
1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券とオーストラリア・ニュージーランド銀行の勤務経験を生かし、お金の教室「FP君」を運営。
「お金のルールは学校では学べない」ということを危惧し、家庭で学べる金融教育サービスを展開。お金が理由で不幸になる人をなくすことを目指している。
子どもを対象にした保険は必要なのか
保険は「起きたら家計が大きく揺らいでしまうこと」に備えて加入を検討すると、過不足のない選択ができる可能性が高まります。
例えば、死亡保険は世帯主に万が一のことが起きたとき、その後の遺族の生活を保障するために加入します。また、火災保険は自宅が火災などで被害を受けた場合、その損害を補償するために加入します。
「世帯主の他界」や「住まいの損害」という「起きたら家計が大きく揺らいでしまうこと」に対する備えとして、死亡保険や火災保険への加入は一般的になっています。これは、子どもを対象とした保険に加入する際も考え方は同じで「起きたら家計が大きく揺らいでしまうこと」とは何か、という観点で検討することが大切です。
こうした考え方をすることで、保険の入り過ぎや保障内容のミスマッチを防ぐことができます。
子どもを対象にした保険の加入目的とは
子どもが対象の保険加入に関連して考えられる「起きたら家計が大きく揺らいでしまうこと」には、下記のようなものが挙げられます。
●子どもがけがや病気で入院したときの医療費
●子どもが他人に迷惑をかけたときの弁償費用
以下で、それぞれについて説明していきます。
子どもがけがや病気で入院したときの医療費
日本には公的な医療保険制度があります。そのため、すべての医療費を自己負担する必要はありません。風邪で通院する程度の少額な医療費であれば、貯蓄や毎月の収入で負担するのが一般的です。また、多くの自治体では子どもの医療費について、自己負担額が軽減される制度があります。
例えば、東京都の場合は公的医療保険の自己負担部分を補てんする制度として、義務教育就学前の乳幼児に対しては「乳幼児医療費助成制度」、義務教育就学中の児童に対しては「義務教育就学児医療費の助成」があり、これらの制度によって一定年齢までの子どもの公的医療保険にかかる医療費は、実質無料になっています。
子どもの医療費助成制度は、助成対象となる子どもの年齢が自治体によって異なっていたり、自己負担が一部発生したりするケースもあります。そのため、自身が住んでいる自治体の制度をよく確認しておきましょう。
もし、子どもの医療保険を検討するのであれば、公的医療保険制度ではカバーされない長期入院時の差額ベッド代や、先進医療の治療費などを保障している商品を選ぶとよいでしょう。例えば、子どもが交通事故に遭い、半年間入院した際に個室代が1日1万円かかる場合、30日の入院で30万円の出費になります。このようなケースで、医療保険への加入は役に立ちます。
子どもが他人に迷惑をかけたときの弁償費用
子どもが自転車事故の加害者になってしまった、他人の物を壊してしまったときなど、多額の弁償費用がかかることがあります。そのような場合に備えるための保険に、個人賠償責任保険があります。
個人賠償責任保険に加入しておけば、万が一、子どもが起こしてしまった事故の損害賠償金を保険金で支払うことができます。
ただし個人賠償責任保険は、火災保険や自動車保険に家族分も付帯されている場合があります。保険を二重にかけていても損害額を超える金額の保険金を受け取れるわけではないため、子ども用の保険に加入する前に確認をしておきましょう。
学資保険は必要か?
学資保険とは、親などを契約者、子どもを被保険者とする貯蓄型の保険です。
契約者に万が一のことがあると、その後の保険料の払い込みが免除されるのが一般的です。貯蓄と契約者の死亡保険を兼ねた商品ですが、貯蓄も死亡時の保障も学資保険以外の方法で十分に備えられている場合は、学資保険は不要だといえます。
一方で学資保険はその名のとおり、教育資金を積み立てる目的の商品ということが明らかであるため、教育資金の準備を他の貯蓄とは明確に分けたいという方には向いています。
まとめ
今回は子どもが対象の保険について説明しましたが、保険に加入する際には、例えば商品が多過ぎて何を選んだらいいか分からなくなることもあるかと思います。そういった場合、必要とする保障内容を決めてから商品選びをすると、自身に合った保険が見つかりやすくなるでしょう。
出典
東京都福祉保健局 乳幼児医療費助成制度(マル乳)
東京都福祉保健局 義務教育就学児医療費の助成(マル子)
大阪市 こどもの医療費を助成します
執筆者:遠藤功二
1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)