更新日: 2022.07.08 損害保険

地震保険料は、火災保険料より高い? その1 -地震保険の概要-

執筆者 : 浦上登

地震保険料は、火災保険料より高い? その1 -地震保険の概要-
2022年5月25日、東京都の防災会議地震部会は、首都直下型地震が発生した場合、死者は最大6000人を超えるとの予想を発表しました。地震被害はわれわれが備えなければならない自然災害のうち、最も大きなものの一つといえるでしょう。
 
大地震への備えとして地震保険があります。地震保険の付保は火災保険と同様、任意ですが、火災保険と一緒に加入することが条件となっています。
 
この記事では、地震に備えるための地震保険の特徴と保険料のレベルについて説明したいと思います。その1では地震保険の特徴、その2・その3では地震保険料のレベルについて述べてみます。

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浦上登

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。

現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。

ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。

FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。

2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。

現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。

早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。

サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow

地震保険の特徴

地震保険は地震や噴火、津波による被害を補償する保険である

建物や家財において、火災保険は火災・風水災・盗難・破損等による被害を補償するのに対し、地震保険は地震もしくは噴火、津波による被害を補償する保険です。
 

地震保険は火災保険に加入していないと掛けることができない

地震保険は火災保険に加入していないと掛けることができません。火災保険、地震保険とも加入は任意となっており、次の3とおりの選択が可能です。

(1)火災保険・地震保険とも加入しない
(2)火災保険には加入するが、地震保険には加入しない
(3)火災保険・地震保険とも加入する

 

地震保険は政府の再保険をベースにしている

ひとたび大規模地震が発生すれば、その被害によって、民間の保険会社だけでは負担しきれないくらいの地震保険金が発生する可能性があります。そのため、地震保険には政府の再保険が付いています。
 
この点で、民間保険会社が保険金をすべて負担する火災保険とは異なっており、加入する民間保険会社が違っても保険料は変わりません。
 

地震保険の保険金額は、保険対象の保険価額の最大50%

建物や家財等保険の対象となる物の価値を価格にしたものを、保険価額といいます。被害にあった場合、保険金で買い直すことができるように、通常、保険金は保険価額まで掛けることができます。
 
火災保険も保険価額を保険金額とすることができますが、地震保険の保険金額は建物や家財の火災保険金額の30~50%となっています。すなわち、地震で建物が完全に倒壊しても、建物の価値の最大50%までしか保険金が支払われません。それゆえ、地震保険を掛けても、建物を完全に建て直せるだけの保険金は下りないのです。これは、地震保険に加入する際に知っておかねばならない重要なポイントです。
 
再保険者である政府の立場からいえば、地震による被害は非常に大きくなる可能性があるので、保険金額の支払いに支障を来さないために、火災保険の保険金額の50%までに抑えているのです。
 
契約者の立場からすると、それでも地震保険を掛けるのかということになりますが、いざというときのダメージを最小限に抑えるためには、掛けないよりは掛けたほうがよい、ということになるのではないでしょうか。
 

地震保険料は地域、建物の構造によって異なる

地震保険料は保険会社によっては変わりませんが、地域と建物の構造によって変わります。
 
(1)地域
都道府県ごとに地震被害の発生のしやすさに応じて、地震保険の料率が決まっています。東京・神奈川・千葉・静岡が最も高く、北海道・岩手・石川・鳥取・鹿児島などは最も低くなっています。
 
(2)建物の構造
建物の構造を以下の2つに分けて、料率を変えています。
以下のイ構造、ロ構造とは地震保険特有のもので、火災保険における構造級別との関係は以下のとおりです。
 
イ構造(火災保険ではM構造またはT構造)
主として鉄骨・コンクリート造りの建物またはそれらに収納されている家財の場合、安い保険料となっています。木造の建物であっても、建築基準法に定める耐火建築物・準耐火建築物、省令準耐火建物に該当するものは、イ構造になります。
 
ロ構造(火災保険ではH構造)
主として木造の建物またはそれらに収納されている家財の場合、料率が高くなります。
 

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まとめ

以上、その1では地震保険の特徴について説明しました。そのなかで重要なのは、以下のとおりです。

(1)地震保険は政府の再保険をベースにしていること
(2)地震保険の保険金は火災保険の保険金の最大50%までで、地震で家が倒壊しても、家を完全に建て直せるだけの保険金は下りない

その2では地震保険の保険料のレベルに関し、地震保険料の最も高い地域である東京都ではどうなるかについて、説明したいと思います。
 

出典

一般社団法人日本損害保険協会 地震保険
財務省 地震保険制度の概要
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

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