盗難の補償として考えたとき、個人で加入しやすいものに、盗難保険があります。
そこで今回は、盗難保険の概要とフィッシング詐欺被害への補償について解説していきます。
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盗難保険とは?
盗難保険とは、保険の対象となる物が盗まれたときに補償される保険のことです。
しかし、一般的には盗難だけに特化した単体の保険があるわけではありません。通常はほかの保険の「特約」という形で付帯していることが多いものです。
例えば、家財保険や火災保険に加入している場合は、空き巣被害も補償の対象になります。実際の補償内容は、保険会社や加入プランに応じて変わってきますが、パソコンや貴金属なども補償の対象になると考えていいでしょう。盗まれた物だけでなく、侵入されたときに破損されたガラスやドアなどの修理も、対象になる場合もあります。
自動車であれば、加入する際に盗難も特約としてつけることも可能です。
盗難被害を補償してくれる保険は、家や自動車、バイクなど、目的に応じて加入する保険を選ぶことで準備できます。中には、始めから補償内容に含まれている保険もあるので、加入の際に確認すると、上手に盗難に備えることができます。
フィッシング詐欺の被害も補償される?
残念ながら、先ほど紹介した保険のほとんどは、フィッシング詐欺やクレジットカードの不正利用などは対象としていません。
過去には、フィッシング詐欺に特化した保険も出ていましたが、2022年現在では見かけなくなっています。フィッシング詐欺や不正利用によって被害を受けたときは、銀行やカード会社が補償してくれることが一般的です。
銀行の場合の補償
三菱UFJ銀行を例にあげると、利用者から通知を受けた日から30日前の日以降の払い出しが、補償の対象になります。ただし、利用者に何らかの落ち度が認められる場合の補償は、被害額の4分の3とされています。
また、番号等が盗用されてから2年を経過して告知されたときは、補償されません。実際の規定は銀行によって異なりますが、肝心なのは被害に気づいた時点で早めに相談することです。
クレジットカード会社の場合の補償
クレジットカードは、多くの場合において不正利用の届けから60日前の日以降に不正に利用された部分が補償されます。フィッシング詐欺やスキミング詐欺、カード番号の盗用での被害が補償されるのが一般的です。
ただし、利用者の過失や故意によると認められた場合は、補償の対象になりません。詳しい補償条件はクレジットカード会社によっても異なりますので、自分が利用しているカードの規約を確認しておくといいでしょう。
盗難被害もフィッシング詐欺被害も、お得に備えることが可能
自動車や家財などの盗難保険は、自動車保険や火災保険、家財保険などの特約として付けることができます。フィッシング詐欺や不正利用については、銀行やクレジットカード会社の多くが、自動的に補償対象としているのが一般的です。
いずれにしても、手頃な費用で盗難被害に備えておくことは可能です。これから保険の加入やクレジットカードの契約などを検討しているときは、盗難の補償も考慮して検討するといいでしょう。
出典
ソニー損害保険株式会社 空き巣による盗難被害などの補償
損害保険ジャパン株式会社 盗難による盗取・損傷・汚損
三井住友海上火災保険株式会社 盗難
セゾン自動車火災保険株式会社 おとなの自動車保険 車両盗難!朝起きたら車が盗まれていた!
株式会社三菱UFJ銀行 三菱UFJダイレクトの不正利用被害の補償について
株式会社オリエントコーポレーション Orico 不正利用されてしまった・・・安心の「紛失・盗難保障」!
三井住友カード株式会社 カードの不正利用に対する保障制度について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部