やっぱり地震保険は入るべきか? 保障内容や費用は?
配信日: 2022.07.16
住宅ローンを組む際には火災保険への加入は必須ですが、地震保険については任意加入です。地震保険に加入していれば大地震による家屋の倒壊、津波、火災などで自宅が甚大な被害を受けても補償を受けられますが、必要性を疑問視する人もいると思います。
当記事では、地震保険に加入すればどんな補償を受けられるのか、具体的な保険料などについて詳しく解説します。ぜひ参考にしていただき、地震保険の概要をはじめ、加入の必要性、費用面について理解を深めてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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地震保険に加入すれば被災後の生活再建の際に役立つ
地震による被害を受けた場合、建物の修繕や立て直し、家財の買い替えといった生活再建のために多額のお金が必要です。
内閣府によると、東日本大震災で住宅の全壊被害から再建に必要な費用は平均で約2500万円、家電・家具・寝具の購入など、住宅再建以外の費用は、被災者生活再建支援制度を申請した人のうち45.5%が50万円以上となっています。これは、義援金で約100万円、被災者生活再建資金で300万円が支給されても、2000万円近い費用を一括で用意するのは困難です。
もし住宅ローンが残っていれば、被害を受けた建物以外に新しい建物のローンも抱えなければいけません。そこで万が一の事態に備えて地震保険に加入しておけば、生活再建における金銭負担の軽減が可能です。
地震保険の補償内容
地震保険は、補償対象が建物と家財の2種類に分かれます。建物と家財のどちらか1つに加入するか、両方に加入するかは保険契約者となる人が選べます。
保険金が支払われるのは、保険対象になる居住用建物または家財が全損・大半損・小半損・一部損になった場合です。専門の鑑定人が判定を行い、4段階のどの状態に該当するのかによって補償される保険金が異なります。
その際に補償されるのは、かかった修理費用分ではありません。地震による損害の規模や契約金額の範囲内となるので注意してください。
地震保険は火災保険への加入が前提
地震保険は火災保険の付帯契約であり、単体での加入ができない保険です。「火災よりも地震の被害に備えられる保険に加入したい」「火災保険と地震保険のそれぞれの保険料を支払うのは厳しい」といった希望はとおりません。
火災保険を契約するタイミングで、地震保険に加入するか加入しないかを選択します。火災保険に加入しても、地震保険が自動付帯するわけではないので注意してください。
地震保険の補償対象にならないケース
地震保険には補償対象にならないケースがいくつかあります。まず、保険契約者と被保険者、両者の法定代理人による故意・重大な過失または法令違反は補償対象外です。そのほかに、地震の際の紛失や盗難、地震発生日の翌日から10日以上経過した後に生じた損害なども補償対象になりません。
地震保険の保険金が支払われないのはどんなケースか知りたいときは、取扱代理店や保険会社に問い合わせる、公式サイト内の「よくある質問」を確認するなどしてください。
地震保険の保険料
地震保険の保険料が具体的にどのくらいなのかは、各保険会社の公式サイトから試算してください。建物の所在地、建物の構造、地震保険の契約金額を建物と家財別で入力すれば年間保険料を把握できます。ただし、地震保険の契約金額は「火災保険の30~50%の範囲内」「限度額は建物5000万円、家財1000万円」と定められています。
なお、建物の所在地が東京都、建物の構造がイ構造(主として鉄骨・コンクリート造)地震保険の保険金額が建物3000万円・家財500万円の場合、年間地震保険料は以下のとおりなので参考にしてください。
・年間地震保険料:9万6250円/年
(建物地震保険料:8万2500円/年、家財地震保険料:1万3750円/年)
万が一に備えて地震保険に加入した方が安心
地震保険に加入していれば、地震による被害を補償してくれます。地震保険の補償対象にならないケースに該当しなければ、家屋の倒壊をはじめ地震による損害が発生しても安心です。
後から「あのとき地震保険に加入していればよかった」となっても、さかのぼって加入はできません。万が一に備えて地震保険への加入を検討してみてください。地震保険に関する不明点や疑問があれば、保険会社に問い合わせてみるとスムーズに解決できます。
出典
内閣府 防災情報のページ 住宅・生活再建にはこんなにお金がかかる
内閣府 平成24年度 被災者生活再建支援法関連調査報告書
一般社団法人日本損害保険協会 地震保険
財務省 地震保険制度の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部