更新日: 2022.07.20 生命保険
【加入率はほぼ9割】「生命保険」に入るべき人と必要ない人の差は?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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生命保険加入率はほぼ9割
最初に、日本において生命保険に加入している人がとても多いという事実を示すデータを紹介します。
公益財団法人生命保険文化センターは、定期的に「生命保険に関する全国実態調査」を行っています。2021(令和3)年度における同調査の結果によれば、生命保険(個人年金も含む)の世帯加入率は89.8%でした。
ほぼ9割の世帯が、何らかの生命保険に加入しているといって良いでしょう。「生命保険は必要ない」という人がいる以上、もっと加入率は低いかと筆者は思っていましたが、そうでもないようです。
万が一のことがあった場合にまとまったお金を確保できる手段として使える以上、その点に安心感を覚える人もやっぱりいます。この点についてとやかく言うつもりはありませんが、生命保険に加入した方が良い人とそうでない人に分かれるはずですので、詳しく解説していきましょう。
生命保険に加入した方が良い人
まず、生命保険に加入した方が良い人の特徴を3つ列挙します。
・夫婦の一方が専業主婦(主夫)
・高校生くらいまでの子どもがいる
・貯金があまりない
それぞれについて、詳しく解説しましょう。
夫婦の一方が専業主婦(主夫)
夫婦の一方が専業主婦(主夫)だった場合、夫もしくは妻の給料だけで家計を維持することになります。そのため、万が一のことが起きたり、働けなくなるほどの重い障害が残ってしまったりした場合、収入が途絶える可能性が極めて高いです。
妻もしくは夫が「それなら自分が働く」と一念発起して仕事を始めたとしても、なかなか高い給料は得られないかもしれません。そのため、足りない分の生活費を補う手段として、生命保険を活用するのは有効でしょう。
高校生くらいまでの子どもがいる
高校生くらいまでの子どもがいる場合も要注意です。特に、高校卒業後大学への進学を考えている場合、入学金や授業料などで毎年まとまったお金が出ていきます。本人の希望をかなえるためにも、何が起きたとしてもまとまったお金を確保できる手段はあるに越したことはありません。
ひとり親世帯である
ひとり親世帯である場合も、生命保険の必要性は高いです。自分に万が一のことがあったり、重い障害を負って働けなくなったりした場合、子どもの生活費をどうやって確保するかが問題になるでしょう。
また、このパターンの場合は、病気療養が長引いた場合も生活費が不足するリスクが高いです。そのため、医療保険に加入するなど、病気療養中でもある程度のお金は入ってくるよう備える必要があります。
生命保険の必要性が薄い人
一方、生命保険の必要性が薄い人もやはり存在します。特徴を列挙しましょう。
・共働きかつ子どもがいない
・子どもはいるが、すでに独立している
・それなりに貯金や金融資産はある
・親や兄弟姉妹など頼れる相手がいる
共働きかつ子どもがいない
共働きかつ子どもがいない夫婦であれば、夫婦のどちらか一方に万が一のことがあったとしても、いきなり収入がゼロになる可能性は低いでしょう。きっちり半分になるというわけではありませんが、生活費もだいぶ減るはずです。
また、配偶者が会社員もしくは公務員であった場合、万が一のことがあったときは遺族厚生年金を受け取れる可能性もあります。
遺族厚生年金として受け取れる額と、勤務先からの死亡退職金、弔慰金として見込まれる額を合計し、足りない部分があれば何らかの形で補えるようにすれば十分です。もちろん、比較的保険料の安い掛け捨ての生命保険を使っても構いません。
それなりに貯金や金融資産がある人
生命保険は本来、万が一のことがあったり、働けなくなるほどの重い障害を負ったりした際に、家族が生活に困窮しないようにするためのものです。極論すれば、貯金や金融資産が十分にあり、万が一のことがあっても生活に困窮しない見込みがあるのでしたら生命保険に入らなくても何ら問題はないでしょう。
親や兄弟姉妹など頼れる相手がいる人
もう一つ、生命保険が必須ではないケースを考えてみましょう。親や兄弟姉妹など頼る相手のいる人です。経済的に余裕がある親や兄弟姉妹がいて、援助を申し出てくれる見込みがあるなら、万が一のことがあったとしても、一気に困窮する可能性は低いでしょう。援助を受けながら、仕事を探しつつ自立を目指すなど今後の人生設計を考えることもできます。
実情や自分の価値観に照らし合わせて考えよう
実際のところ、生命保険が必要か否かは、自分や家族が置かれた状況により異なります。たとえ共働きであっても、夫婦のどちらか、もしくは両方が自営業である場合は、遺族厚生年金が受け取れないので死亡時の保障を手厚くする必要も出てくるでしょう。
また、貯金や金融資産があっても「安心のために」と生命保険に入る人もやはりいます。この辺りは個人の価値観ですので、とやかく言うものでもありません。大切なのは「なぜ、自分は生命保険に入るのか」を、一度じっくり考えてみることです。
出典
公益社団法人生命保険文化センター 2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部