更新日: 2022.07.22 保険

自転車保険の必要性。賠償額が1億超もありうるってホント?

自転車保険の必要性。賠償額が1億超もありうるってホント?
近所まで買い物に行ったり、子どもの送り迎えをしたりなど、何かと重宝するのが自転車です。子どもが小学生にもなれば、補助輪無しで乗れるようになり、自転車をこいで友だちと遊びに行くというのも珍しくないでしょう。
 
しかし、事故には注意が必要です。けがをしたり、させたりしたら大変なのはもちろん、高額の賠償責任が生じるなど、信じられないトラブルの引き金にもなります。
 
そこで今回の記事では、自転車事故への備えの必要性と、具体的に備える方法について解説しましょう。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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自転車事故は案外侮れない

自転車事故であっても、スピードを出した状態で歩行者やほかの自転車にぶつかったりしたら、かなりのダメージを負います。
 
相手がけがをしたり、万が一のことが起きてしまったりする可能性がある以上、侮ってはいけません。
 

賠償額が1億円近くになるケースも

過去には、自転車事故をめぐる裁判で1億円近い賠償を命じられたケースもありました。
 
【図表1 自転車事故による高額賠償事例】

裁判所・年 事故の概要 賠償金額
東京地裁
平成 20 年6月
自転車運転中の男子高校生が車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた 24 歳会社員男性と衝突し、会社員は言語機能の喪失等重大な障害が残った。 9266 万円
神戸地裁
平成 25 年7月
坂道を下ってきた小学5年の少年の自転車が歩行中の 62 歳女性と衝突し、歩行者の女性が意識不明となった。 9520 万円

出典:兵庫県「自転車事故による高額賠償事例」を基に筆者作成
 
ここまで高額な事例は数少ないですが、自転車事故により生じた賠償金額として数千万円を命じられるのは、決して珍しくありません。
 

自己破産しても賠償義務は免除されない

さらに注意が必要なのは、たとえ自己破産しても、賠償義務が免除されるわけではないという点です。
 
自己破産した人が自転車事故により生じた賠償義務を負っていたとしても、それは「破産者が故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(破産法253条1項3号)」にあたります。
 
非免責債権=自己破産した後も払わなくてはいけない債権であり、支払い義務が免除されるわけではありません。
 

多くの都道府県で義務化されている

自転車事故は被害者や被害者の家族はもちろん、加害者や加害者の家族にも、精神的・経済的に深刻なダメージを与えます。
 
このような背景もあってか、多くの都道府県で、自転車事故により生じた賠償責任を補償内容に含めた保険商品への加入が義務、もしくは努力義務とされているのが実情です。
 
【図表2 地方公共団体の条例の制定状況(令和4年4月1日現在)】

条例の種類 都道府県
義務 宮城、秋田、山形、福島、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、新潟、静岡、岐阜、愛知、三重、福井、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、香川、愛媛、福岡、熊本、大分、宮崎、鹿児島
※その他、岡山市において義務条例が制定されている
努力義務 北海道、青森、茨城、富山、和歌山、鳥取、徳島、高知、佐賀

出典:国土交通省「自転車損害賠償責任保険等への加入促進について」を基に筆者作成
 

自転車事故に備えられる保険商品は?

実は、自転車保険に入らなくても、自転車事故に備えることは可能です。「損害賠償責任を負ったときに補償が受けられる」保険であればかまいません。代表的なものを解説します。
 

自転車保険や火災保険

自動車保険や火災保険に「個人賠償責任特約」が付帯していれば、自転車事故が起きた場合の損害賠償について補償が受けられます。
 
個人賠償責任特約とは、自分や家族が日常生活における事故で、加害者になった場合の損害賠償について補償を行う特約のことです。自転車事故以外にも、「買い物中に品物を壊してしまった」「子どもが友だちの眼鏡を壊した」など、さまざまなトラブルを広くカバーできます。
 

個人賠償責任保険

個人賠償責任特約と同様、自分や家族が日常生活における事故で加害者になった場合、損害賠償について補償を行うための商品です。
 

自転車保険は個人賠償責任保険の一種

実は、自転車保険は個人賠償責任保険の一種です。ただし、個人賠償責任保険とは違い、自分が自転車に乗っていたり、歩行中にほかの自転車にぶつかったりしてけがをしたり、万が一のことになったりした場合にも補償が受けられます。
 

すでにある保険で間に合うなら新たに入る必要はない

自転車事故により生じた損害賠償請求をカバーできる保険への加入の目的は、被害者の救済です。
 
そのため、すでに加入している火災保険や自動車保険でカバーできるなら、新たに自転車保険に入らなくてもかまいません。ただし、賠償額の上限が少なすぎないかは確認しましょう。
 

自転車に乗る家族がいるなら何らかの形で備えるべき

どんなに注意して自転車に乗っていたとしても、いつ自分や家族が事故の加害者になるかは誰にも分かりません。相手のけがの状況次第では、自分や家族に高額の損害賠償請求が来る可能性もあるでしょう。
 
やはり、自転車に乗る家族がいるなら、何らかの形で備えておく方が無難です。しかし、すでに加入している保険商品で備えられることも多々あります。
 
まずは、自動車保険や火災保険の内容を見直し、自分や家族がどんな補償を受けられるか確認してみましょう。
 

出典

兵庫県 自転車事故による高額賠償事例
国土交通省 自転車損害賠償責任保険等への加入促進について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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