「クレカに海外旅行保険がついているから平気」がダメな理由。対策はある?
配信日: 2022.07.22
そんなときに役に立つのが海外旅行傷害保険ですが、最近では付帯したクレジットカードを持っていれば補償が受けられるのでとても便利です。しかし、内容をよく知った上で使わないと「こんなはずじゃなかった!」と落胆する羽目になりかねません。
そこでこの記事では「クレカに海外旅行保険がついているから平気」がダメな理由と、対策を解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ダメな理由1.実は利用付帯だった
クレジットカードに付帯している海外旅行傷害保険が「利用付帯」だった場合、病気やけがをしても、補償が受けられないことがあるので注意しましょう。
自動付帯と利用付帯
自動付帯とは、有効期限内のクレジットカードを持っている限り、補償が受けられることです。
一方、利用付帯とは「そのクレジットカードを使ってパッケージツアーや海外航空券の代金を支払う」など、一定の条件を満たした場合に限り補償が受けられることをいいます。
仮に、自分のクレジットカードに付帯している海外旅行傷害保険が利用付帯だったとしましょう。
補償を受けるための条件が、「そのクレジットカードを使ってパッケージツアーや海外航空券の代金を支払う」だった場合、現金やほかのクレジットカードで代金を支払ってはいけません。付帯している海外旅行傷害保険による補償が受けられないためです。
ダメな理由2.保険金額が足りなかった
補償自体は受けられたものの、保険でカバーできる金額が少なかった場合もトラブルのもとになります。
海外の医療費には注意が必要
年会費が無料、もしくは数千円程度のクレジットカードの場合、傷害治療費用や疾病治療費用として割り当てられている保険金額自体が少ないことも考えられます。
特に、医療費が高い地域への渡航の場合、病気やけがで医療機関にかかった際の費用が、保険金額だけではカバーしきれないことも往々にしてあるでしょう。
例えば、アメリカ・ニューヨークの中心部・マンハッタンの場合、入院した場合の室料が1日で数千ドル、入院費が1日あたり1万ドルから2万ドルに及ぶこともあるようです。仮に、1ドル=135円、1日あたりの室料=5000ドル、入院費=1万5000ドルとしましょう。
2泊3日で入院した場合の医療費は6万ドル=約810万円にもなります。付帯している海外旅行傷害保険の内容次第では、持ち出しが生じてもおかしくない金額です。
より補償を充実させるためには?
自分が持っているクレジットカードの海外旅行傷害保険が利用付帯だったり、疾病・傷害治療費用の補償額が少なかったりした場合は、より補償を充実させておくとよいでしょう。
自分でできる具体的な方法を2つ紹介します。
対策1.年会費無料かつ海外旅行傷害保険が自動付帯したクレジットカードを持つ
年会費無料かつ海外旅行傷害保険が自動付帯したクレジットカードを持つことで、疾病・傷害治療費用の補償額をより大きくすることができます。
なお、複数の海外旅行傷害保険が付帯したクレジットカードを持っていたり、海外旅行保険に加入していた場合の保険金の支払いについても、説明しておきましょう。この場合、すべての保険における保険金を合算した範囲内で、実際の損害額を限度とし、それぞれの保険から案分して保険金の支払いを受けられます。
【具体例】例えば、以下の3枚のクレジットカードを持っていて、海外で病院にかかった際の治療費用が400万円だった場合、支払われる保険金額を図表1でまとめました。
【図表1】
カード名 | 傷害による治療費用 | 割合 | 支払われる保険金額 |
---|---|---|---|
A | 300万円 | 0.6 | 240 |
B | 100万円 | 0.2 | 80 |
C | 100万円 | 0.2 | 80 |
対策2.損害保険会社が販売する保険商品を使う
より補償を充実させるためには、損害保険会社が販売する保険商品を使うのも1つの手段です。昨今では、クレジットカード付帯の海外旅行傷害保険に上乗せできるプランを扱う損害保険会社も出てきています。
事前の下調べも大事
極論すれば、海外旅行傷害保険にとって一番良いのは、「何の役にも立たないこと」です。
しかし、海外に限らず、いつ何があるかわからない以上、備えはしっかりしておきましょう。少なくとも、以下の2点は必ず済ませてから出掛けるのをおすすめします。
自身が持っているクレジットカードに付帯した海外旅行傷害保険の内容を確認する
渡航先の医療事情を調べておく
せっかくの旅行を安全に、安心して楽しみましょう!
出典
外務省 世界の医療事情 アメリカ合衆国(ニューヨーク)
株式会社ジャックス よくあるご質問 同様の保険が付帯されているクレジットカードを複数枚持っていますが、保険金の支払いはどうなりますか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部