更新日: 2022.07.23 損害保険

賃貸契約更新時が見直しチャンス! 「火災保険」チェックポイントとは?

賃貸契約更新時が見直しチャンス! 「火災保険」チェックポイントとは?
賃貸でアパートや住宅類を借りるときに、不動産会社から同時加入を勧められることが多い「火災保険」。 
 
契約更新時に、保険も見直してみませんか? 賃貸での「火災保険」について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

賃貸で加入する「火災保険」はどんな保険?

火災事故だけでなく、台風などの自然災害・盗難など、「住まい」に関するリスクを総合的に補償しているのが火災保険。借りている部屋に損害を与えてしまった場合、原状回復にかかる費用(「大家さんに対する賠償責任」)の補償と、自分の家財類を補償するための保険です。
 
アパートなどの共同住宅を借りる場合には、「漏水による水ぬれ」などの補償を目的に「個人賠償責任」の加入も求められます。
 
「大家さんに対する賠償責任」と「個人賠償責任」の補償は、どちらも単体では加入できず、火災保険に「特約」として付けることになります。保険期間は、賃貸契約期間と同じく1~2年と設定されている場合が多いです。
 

火災保険に加入していないと、どんな影響があるの?

主に、以下のような影響が出てくる可能性もあります。
 

・火災を起こした・隣家などからの「もらい火」で、損害賠償責任を負う

失火責任法(失火ノ責任ニ関スル法律)により、火災を起こしても重大な過失がなければ、火災を起こした人が損害賠償責任を負わなくて良いことになっています。
 
しかし、家の借り手には、退去時に住居を元の状態に戻す「原状回復義務」があり、原状回復ができない場合は、「損害賠償責任」が発生します。そして、隣家などからの「もらい火」で住まいが延焼してしまっても、火元の家に損害賠償を求めることはできないのです。
 

・家財などの損害が発生した場合に、補償されない

災害・盗難などで自分の家財に損害が発生しても補償されず、「ガス漏れによる爆発」「漏水による水漏れ」などで共同住宅の階下などに損害を起こしてしまったときに、「損害賠償責任」が発生し、賠償を求められる可能性もあります。
 
火災保険に加入していないと、損害賠償金を自分で用意しなければなりません。
 

保険契約の更新時に見直したいポイントは?

現在加入している保険での補償内容が「今の自分の生活に合っているか」を、全体的にチェックしてみませんか?
 
例えば、いくつかのポイントが考えられます。
 

・自分の家財補償額は適正か

家財の補償額は、保険会社が「家族構成」や「部屋の広さ」などを基準とした、ある程度の参考値を案内しています。これら以外に「自分の住まいにある家財を全部買いなおしたら、どのくらいの金額か」も考えてみてはいかがでしょうか。
 
(宝飾品や絵画など、一定額以上のものを所持している場合は、申告しておかないと補償対象外となる場合もありますので、保険会社に問い合わせてください。)
 

・現在の保険での補償内容が古くなっていないか

賃貸契約を何度か更新して長く住んでいる場合、加入している保険の補償内容が新しい保険と比べて古くなっていたり、加入している保険が「新規契約募集停止」になっている場合もあります。不動産会社に問い合わせたり、インターネットで調べることも可能ですのでチェックしてみましょう。
 

・新しい保険は、自分の生活に合った保険か

賃貸契約更新時に新しい保険に加入する場合、今までに加入していた保険と比べてどんなメリットがあるのか、保険料・補償内容・自己負担額などを比べてみましょう。保険会社によって、プラン・特約が新たに追加されている場合もあります。
 

保険料を控除に使えるか、チェックしてみよう

火災保険料について、2022年10月から改定になり、保険料が値上がりする見通しです(現在の契約については、10月から保険料が値上がりするのではありません)。10月1日以降が始期となる火災保険の契約について、新しい火災保険料が適用されます。
 
火災保険だけでは地震・噴火などによる損害は補償されません。そのため、地震などに備えるには「地震保険」に加入する必要があります。
 
火災保険契約時に地震保険をセットできる保険会社もあり、賃貸住宅向けの地震保険に加入している場合は「地震保険料控除」の対象です。控除証明書は一般的に、初年度は証券と一緒に、また長期契約の人は年1回、はがきなどで送られてきますので、年末調整や確定申告の時期まで保管しておきましょう。
 
火災保険は、不動産会社が指定した保険に必ず加入しなければならない訳ではありません。自分で選んだ保険に加入することも可能です。その際、不動産会社に火災保険に加入した証明書類のコピーを求められる場合もありますので、確認しておきましょう。
 
賃貸契約更新の前に、火災保険について調べてみてはいかがでしょうか。
 

出典

損害保険料率算出機構 火災保険参考純率
損害保険料率算出機構 火災保険参考純率改訂のご案内
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1146 地震保険料控除の対象となる保険契約
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集