更新日: 2022.07.26 生命保険
貯蓄型の生命保険はどんな時に準備する保険か? 活用方法を解説
執筆者:古田靖昭(ふるた やすあき)
二級ファイナンシャルプランニング技能士
貯蓄型の生命保険とは
貯蓄型の生命保険は、支払った保険料が積み立てられる保険のことです。つまり、保険料を積み立てる仕組みがない掛け捨て型と比べ、支払った保険料が無駄になりにくい保険といえます。また、仮に保障内容が同じである場合、貯蓄型よりも掛け捨て型の方が保険料が安い傾向があります。
代表的な貯蓄型生命保険
主な貯蓄型の生命保険として終身保険、養老保険、学資保険、個人年金保険が挙げられます。「終身保険」とは、被保険者が死亡した場合、契約時に指定した遺族である配偶者または子どもなどが死亡保険金を受け取れる保険であり、保障が一生涯続く保険です。
終身保険の保険料払込期間を終えますと、解約時、それまでに支払った保険料と同水準またはそれを上回る積立分を、「解約返戻(へんれい)金」として受け取れる可能性があります。
ただし、保険料払込期間中に解約したら、支払った保険料の一部の金額しか返戻されない可能性があるため、注意しましょう。「養老保険」とは、保険期間の満了を迎えると、契約者が満期保険金を受け取ることができ、死亡した場合には、契約時に指定した遺族が死亡保険金を受け取ることができます。
保険期間は決まっており、死亡保障よりも保険期間を活用した貯蓄機能の側面が強いといえます。もし養老保険を保障期間中に解約したら、終身保険と同様に、一部の支払保険料しか戻ってこないため注意しましょう。
「学資保険」は、契約者を親、被保険者を子どもとし、大学の入学金や授業料などの教育費を準備する保険です。子どもの入学に合わせて祝い金や、保険料払込期間を終えることで満期保険金が受け取れます。
もし契約者である親が死亡した場合、以後の保険料の払い込みが免除される特約がつき、保険料を支払わなくても、満期時に満期保険金を受け取れるという仕組みが一般的です。また、万が一、子どもが死亡した場合、払込保険料分の「死亡保険金」を受け取れます。
「個人年金保険」は、老後資金を準備する保険で、契約時に定めた年齢までを保険料払込期間として保険料を支払います。保険料払込期間を終えて、個人年金を受け取れる年齢になりますと、年金形式で給付を受けることができます。
なお被保険者が死亡した場合、学資保険と同様に払込保険料分の死亡保険金を受け取れます。年金の受け取り方は、主に3種類あります。一定期間、生死に関係なく年金を受け取れるのが「確定年金」で、受取期間を5年や10年などに設定ができます。
保証期間付有期年金と保証期間付終身年金は、保証期間中はどちらも生死に関係なく年金を受け取ることができ、有期年金は被保険者が生存している限りとなっており、終身年金は、被保険者が生存している限り、一生涯受け取れる年金です。
(具体的な設計や保障範囲については商品によって異なる場合があります)
主な活用方法
貯蓄型生命保険は、子どもの教育費や老後資金の準備といった長期的な目的で貯蓄を行う手段として活用できます。また、15年後に向けて住宅の修繕費を積み立てるために貯蓄型生命保険を活用するというケースもあります。
反対に、住宅購入の頭金、結婚式、車の購入などの費用の準備に必ずしも向いているとはいえません。生命保険を活用した積み立ては、子どもの教育費や老後資金の準備など、長期的なライフプランに密接した商品性が売りとなっています。
家族構成や将来の計画などを総合的に考慮し、本記事で紹介したポイントを踏まえて、自分にふさわしい貯蓄型保険商品を選択するようにしましょう。
出典
一般社団法人生命保険協会 生命保険の基礎知識 STEP.6 主な個人保険商品の種類
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士