更新日: 2022.07.30 その他保険

【失業保険だけじゃない】雇用保険って何? いまさら聞けない雇用保険について解説

【失業保険だけじゃない】雇用保険って何? いまさら聞けない雇用保険について解説
皆さんは雇用保険という制度を知っていますか? 雇用保険は、失業者が職業復帰するためのサポートや、60歳以降の継続雇用の促進をしてくれる制度です。
 
コロナ禍によって廃業や失業をする人が増加し、改めて雇用保険も注目されました。コロナ禍が落ち着いたとしても、今後、新しいウイルスによって経済が止まってしまう恐れもありますし、ウイルス以外の世界情勢で経済が打撃を受けてしまい、失業や休業を余儀なくされることも考えられます。
 
また、高齢化や公的年金の減額などで、60歳以降も働く人も多くなっています。
 
そこで今回は、雇用保険について解説し、その中でも失業等給付について詳しく説明していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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雇用保険の基礎知識

雇用保険は、失業給付等や育児休業給付、雇用保険二事業の3つの柱があります。
 

失業等給付

失業等給付には、労働者が失業した際に、安定した求職活動ができるように支給される求職者給付や、早期の就職を促進するための就職促進給付、労働者のキャリアアップや就職に必要な資格を取れるように支援する教育訓練給付、60歳を迎えた人が雇用を継続した際に給付される高年齢雇用継続給付などがあります。
 
これら4つの給付は、就職の促進や雇用の継続をサポートするものなので、覚えておきたい制度ですね。
 

育児休業給付

子どもが生まれ、育児をするために休業した労働者の、生活と雇用の安定のための給付です。
 
給付要件を満たすと、育児休業給付金が給付されます。1歳または1歳2ヶ月に満たない子どもの育児のために休業した親が対象です。
 
休業開始日の初日から起算して、4ヶ月を経過する日の属する月の末日までに、申請書を提出する必要があります。母親だけでなく父親も休業すれば受け取ることができます。
 
会社によっては、父親の育児休業が認められないところはまだまだ多いですが、今後もっと認められる会社が増えるとよいですね。
 

雇用保険二事業

雇用安定事業と能力開発事業の2つが雇用保険二事業です。
 
雇用安定事業は失業の予防のための事業で、休業のサポートをしています。能力開発事業は、職業訓練などを通じて労働者の能力の向上を図っています。
 

失業等給付の概要

求職者給付

安定した求職活動ができるように支給される求職者給付は、基本手当、技能習得手当などがあります。
 
基本手当は、受給資格がなければ支給されません。受給資格は、仕事を辞める前の2年間に労働時間が80時間以上の月が通算で12ヶ月以上あった人です。
 
給付日数は、被保険者期間が10年未満の人は90日、10年以上20年未満の人は120日、20年以上の人は150日となっています。給付日数の間に再就職を目指しましょう、という制度です。
 
また、技能習得手当は職業訓練などを通して、再就職先に必要な技能の習得の際にかかる費用を支給する手当になります。
 

就職促進給付

早期の就職を促進するための就職促進給付は、再就職手当や就業促進定着手当、就業手当などの各種手当があります。
 
再就職手当は、求職者給付の基本手当の支払残日数が、3分の1以上ある場合に支給されます。早く再就職した人は給付率が高くなるので、早期就職を促進させる機能がある制度です。
 

教育訓練給付

教育訓練給付は、労働者のキャリアアップを支援するため、教育訓練受講に支払った費用の一部が支給されます。
 
また、45歳未満の離職者で専門実践教育訓練を受講する場合に、基本手当が支給されない期間について、受講の諸経費が負担されます。
 
雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とした雇用保険の給付制度です。
 

高年齢雇用継続給付

60歳で一度定年を迎え、再雇用を選ぶ人も多くなっています。しかし、再雇用の際に給料が低くなる場合も多いです。そのようなときに利用できるのが、高年齢雇用継続給付です。
 
60歳を迎えた人が雇用を継続した際に、60歳以降の賃金が60歳時点に比べて、75%未満に低下した状態で働き続ける場合に、支給されます。
 

受給の注意点

不正受給は犯罪です

雇用保険の不正受給は犯罪です。その不正行為があった日以降の日について、基本手当等が一切支給されず、不正に受給した基本手当等の相当額(不正受給金額)の返還が命ぜられます。
 
さらに、返還が命ぜられた不正受給金額とは別に、直接不正の行為により、支給を受けた額の2倍に相当する額以下の金額の納付が命ぜられることとなります。
 

典型事例

厚生労働省でも以下のような典型事例が挙げられています。
 

●就職や就労をしたにもかかわらず、「失業認定申告書」にその事実を記さず、偽りの申告を行った場合
●自営や請負により事業を始めているにもかかわらず、「失業認定申告書」にその事実を記さずに偽りの申告を行った場合
●内職や手伝いをした事実、およびその収入を「失業認定申告書」に記さず、偽りの申告を行った場合

 

今だからこそ知っておきましょう

雇用保険は、コロナ禍のような経済状態が不安定なときにこそ重要な制度です。まずは、制度を知り、興味を持つことから始めてみませんか?
 
また、不正受給も後を絶ちません。本当に必要な人が利用できるように、不正受給の防止策も考えていきたいところですね。
 

出典

厚生労働省 雇用保険制度
ハローワーク インターネットサービス 雇用保険制度の概要

ハローワーク インターネットサービス 基本手当について

ハローワーク インターネットサービス 就職促進給付

ハローワーク インターネットサービス 教育訓練給付制度

ハローワーク インターネットサービス 雇用継続給付

ハローワーク インターネットサービス 不正受給の典型例

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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