更新日: 2022.08.12 その他保険
傷病手当金ってなに? 毎月支給額の目安についても紹介!
どれだけ注意して仕事をしていても、事故に巻き込まれてしまったり病気になって倒れたりしてしまうことは、どうしようもないでしょう。
しかし、けがや病気になってしまっても、生活費などの支払いや治療費の支払いは必要です。
けがや病気で働けなくなった際には、傷病手当金の申請をすれば、毎月一定の金額が給料の代わりに支払われます。傷病手当金を受給する条件や金額について解説していくので、参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
そもそも傷病手当金とは?
傷病手当金とは、会社で働いている際にけがや病気などにより、働くことが難しいと判断された場合に受給できます。
例えば、突然の病気や事故に巻き込まれて、入院やリハビリが必要になった場合です。ほかにも、うつ病などの精神疾患も傷病手当金の対象です。
働くことが難しくなっても、生活費の支払いや治療費は必要になるため、給料の支払いがストップすると生活できなくなるでしょう。
このように、働くのが難しく給料の支払いが受けられない状態で、生活を維持するために受給できるのが傷病手当金です。
傷病手当金を受給するための条件について
傷病手当金を受給するための前提として、勤務先の健康保険に加入していなければなりません。自営業者や個人事業主などが加入している「国民健康保険」は、傷病手当金の受給対象外になるので注意してください。
会社に勤めていて、下記の条件を満たしていることが必要です。
●業務外のけがや病気で働くのが難しい
●連続する3日間を含み4日以上連続で仕事を休んでいる
●休んだ期間中、給料の支払いがない。
もしも会社の規則によって、働いていない期間も給料の支払いがある場合には、給料の支払期間が完了してから支給になります。
また、働くのが難しいと証明するために医療機関などで傷病手的金医師意見書を発行してもらい、傷病手当金の申請時などには添付しなければいけません。
なお、業務中のけがや病気の場合は傷病手当金の範囲ではなく、労働災害保険の対象になるため、会社や保険組合へ確認が必要です。
傷病手当金の支給額と支給期間は?
傷病手当金は標準報酬月額を基準に算出され、支給開始日以前12ヶ月間の標準報酬月額を平均した金額を30日で割った後に3分の2を掛けたものです。
支給開始日以前12ヶ月間の平均報酬月額÷30日×2/3=傷病手当金の支給額
標準報酬月額は会社などから年に1回ほど通知されますが、分からない場合には会社に確認してください。
支給期間は、同一のけがや病気の場合には、支給を開始した日から通算して1年6ヶ月までです。また、傷病手当金の支給が始まった後に退職しても、通算して1年6ヶ月までは支給されます。
傷病手当金を申請するために必要な書類
傷病手当金を申請するために必要な書類は、以下のものなどがあります。
●傷病手当金支給申請書
●本人確認書類のコピー (※マイナンバーを記入した場合)
●個人番号カードもしくはマイナンバーカードのコピー(※マイナンバーを記入した場合)
●医療機関の就業に関する意見書
これらは傷病手当金の支給を受ける側で準備が必要ですが、傷病手当金支給申請書には事業所(会社)が記入する箇所もあるため、会社と連携を取りながら傷病手当金の申請はしてください。
傷病手当金支給申請書は、会社が加入している保険組合のホームページから、医療機関の就業に関する意見書は医療機関に申請すれば入手できます。
また、医療機関の就業に関する意見書は形式は指定されておらず、医療機関が正式に働くことが難しいと診断していれば問題ありません。
傷病手当金の注意点について
傷病手当金は、申請すればすぐに支給されるわけではなく、申請から定められている支給日までは、貯金などを切り崩すことになります。
特に初めて傷病手当金の申請をしたときには、書類内容などに虚偽申告や不備がないかの審査が行われるため、最初の支給が行われるまで、数週間から数ヶ月の時間がかかります。
もしも、数ヶ月先まで生活を維持するのが難しいという場合は、生活費をどうにかして工面する必要があります。
また、傷病手当金を受給するためには、最初の1回だけ申請をすればよいわけではなく、毎月、もしくは数ヶ月分まとめて申請する必要があります。
最初の申請以降、無条件では支給されないため、会社や保険組合などに忘れずに申請するようにしましょう。
まとめ
傷病手当金は、病気やけがで働くのが難しく給料の支払いが受けられない状態で、生活を維持するために受給できる制度です。
勤務先の保険組合に加入していて、条件を満たしていれば申請可能です。
詳しい申請方法などが分からない場合は、勤務先の担当部署に質問するか、直接保険組合に質問して、書類に不備がないようにして提出してください。
書類に不備などがあれば差し戻されて、不備を訂正してから再提出になり、傷病手当金の支給まで時間がかかってしまうので、注意しましょう。
出典
全国健康保険協会ホームページ
全国健康保険協会 傷病手当金について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部