更新日: 2022.08.14 生命保険
共済保険と生命保険の違いとは? 選び方のポイントやメリット・デメリット
本記事では共済保険と生命保険の違い、またメリット・デメリットや選び方のポイントまで解説しています。生命保険を検討している方はぜひご一読ください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
共済保険と生命保険の違い
共済保険も生命保険も加入者から保険料(掛金)を集めて、万が一の場合は集めた資金から保険金(共済金)を支払う仕組みです。それでは共済保険と生命保険ではどこが違うのでしょうか?
まずは、共済保険と生命保険について、保険を提供する組織の違いから解説します。
組織の違い
共済保険を提供しているのはいわゆる組合組織で、利益を出すことを目的としていない非営利団体です。代表的な組合組織として、以下の組織があります。
●農業協同組合
●漁業協同組合
●消費生活協同組合
●事業協同組合
●国家・地方公務員共済組合
一方で生命保険を提供する保険会社も相互会社という非営利法人がありますが、株式会社として保険を取り扱うことも認められています。昔からある保険会社は相互会社の形態を維持しているところもありますが、現在は株式会社の保険会社が大半です。
法律や監督官庁の違い
共済保険と生命保険は提供する組織に違いがありますが、そのため組織を管轄する省庁や管理する法律にも違いがあります。図表1に違いをまとめたのでご参照ください。
【図表1】
組織 | 管轄省庁 | 法律 |
---|---|---|
農業協同組合 | 農林水産省 | 農業協同組合法 |
漁業協同組合 | 水産庁 | 水産業協同組合法 |
消費生活協同組合 | 厚生労働省 | 消費生活協同組合法 |
事業協同組合 | 事業者の管轄省庁 | 中小企業等協同組合法 |
国家・地方公務員共済組合 | 総務省 | 国家公務員共済組合法 地方公務員等共済組合法 |
生命保険会社 (株式会社、相互会社とも) |
金融庁 | 保険業法 |
筆者作成
その他の違い
共済保険と生命保険は目的や仕組みついても異なる点があります。主な違いを図表2に示したのでご参照ください。
【図表2】
相違点 | 共済保険 | 生命保険 |
---|---|---|
目的の違い | 組合員が相互に助け合う仕組みで利益を目的としていない | 株式会社の保険会社は利益が目的となる |
名称の違い a 支払金 b 受取金 c 顧客 |
a 共済掛金 b 共済金 c 加入者 |
a 保険料 b 保険金(給付金) c 契約者 |
余剰金の還元 | 1年の掛金総額が共済金の総額を上回ると、割戻金として組合員に戻される | 配当金として契約者に配当金として還元されることがある(相互会社) |
筆者作成
共済保険と生命保険の選び方
共済保険と生命保険のどちらを選ぶのか、あるいは保険の種類によって併用するのかを考えるためには、それぞれの特徴を知る必要があります。つまり、共済保険と生命保険の組織の違いではなく、商品としての違いや特徴を知ることが重要です。
以下で共済保険と生命保険のそれぞれのメリット・デメリットを説明しますので、理解したうえで加入について検討しましょう。
共済保険のメリット・デメリット
共済保険のメリット・デメリットは以下のとおりです。
●掛金が生命保険と比べて安い場合が多い
●掛金が年齢や性別による差はなく一律
●加入条件項目が生命保険に比べて少ない
●保障内容はシンプルで分かりやすい
●持病や既往症があっても加入しやすい
●保障内容の選択肢が少ない
●保障金額の限度額が低い
●保障の自由なカスタマイズができない
●組合員であることなど加入資格が必要
生命保険のメリット・デメリット
一方、生命保険のメリット・デメリットは以下のとおりです。
●保険商品が豊富でカスタマイズも比較的自由
●高額な保険金額も設定可能
●貯蓄性の高い商品も取り扱っている
●公的なセーフティーネットがある
●保険料が年齢や性別で違う
●保険料は共済に比べると割高
●共済保険と比べると加入条件が厳しい
共済保険と生命保険の選び方
共済保険と生命保険の選び方のポイントは、自分の年齢や家族構成などのライフステージや自分の健康状態によって大きく違ってきます。参考までに選び方のポイントを図表3にまとめました。
【図表3】
選択ポイント | 共済保険 | 生命保険 |
---|---|---|
保険料・掛金 | なるべく支払いは抑えたい | 手厚い保障であれば、ある程度支払う保険料は高額でもかまわない |
保障 | 最低限の保障でよい | 手厚い保障を受けたい |
貯蓄性 | なし | 貯蓄性の高い商品もある |
年齢 | 高齢者向き | 若い方向き |
その他 | 現在を重視 | 将来に備えたい |
筆者作成
共済保険と生命保険はライフステージに合わせて上手に選ぼう
共済保険と生命保険はほぼ同じ保障を提供していますが、メリットとデメリットを比較すると、それぞれ特徴があります。選択するポイントとしては将来に備えたい若い世代や働きざかりの年代は生命保険を中心にするとよいでしょう。一方、持病や既往症が多くなる高齢の方や、共済金は高額でなくても掛金を抑えたいという方は共済保険に向いています。
このようにメリット・デメリットを把握して、自分のライフステージやライフスタイルに合わせて適切な保障を選びましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部