更新日: 2022.08.24 その他保険

海外旅行保険はクレジットカードで十分? 付帯保険の注意点を解説

海外旅行保険はクレジットカードで十分? 付帯保険の注意点を解説
海外旅行は国内旅行よりも航空券などの移動費が高くなります。可能な限り、費用を抑えて、海外旅行を楽しみたいものです。
 
コスパ重視の方は、クレジットカードに付帯している「海外旅行保険」を利用する方も多いかと思います。
 
この海外旅行保険は、加入手続きや月々の保険料の支払いがなく、簡単に利用できますので、頻繁に海外旅行に行く人に人気です。
 
しかし、損害保険会社が販売している海外旅行保険に比べてリスクもありますので、補償内容や補償金額をしっかり確認しておきましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

クレジットカード付帯保険とは?

クレジットカード付帯保険とは、クレジットカードに付帯された海外旅行保険です。
 
損害保険会社とクレジットカード会社が契約することで、利用者はクレジットカードを保有するだけで、無料で海外旅行保険が利用できます。通常の保険のように保険への加入手続きや保険料の支払いは不要です。
 
アメリカやヨーロッパなど遠距離の海外旅行の場合、旅行費だけで費用がかさみますので、海外旅行保険のサービスを無料で受けられることは大きなメリットです。
 
また、クレジットカード付帯保険には、「自動付帯」と「利用付帯」があります。
 
自動付帯とは、クレジットカードを所有しているだけで保険が有効になる保険です。一方で利用付帯とは、クレジットカードで一定額以上を決済した場合に有効になる保険です。
 
例えば、航空券やホテルの代金をクレジットカードで決済しないと、保険が無効になります。クレジットカードを持っているだけで海外旅行保険に入っているつもりでも、「利用付帯」であるため、補償を受けられないこともあります。
 

損害保険会社の海外旅行保険とクレジットカード付帯保険の違いとは?

海外旅行にしっかり備えたい人は、損害保険会社が販売している海外旅行保険に加入する人も多いでしょう。
 
では、クレジットカードに付帯している海外旅行保険との違いはなんでしょうか? 最大の違いは補償対象範囲です。
 
クレジットカード付帯保険では、疾病死亡や歯医者に対応できないことが多いです。つまり、持病がある人が海外旅行に行くことを想定していません。持病で旅行中に亡くなっても補償はありません。
 
治療費の請求方法も異なります。
 
クレジットカード付帯保険では、旅行先での医療費は、いったん自分で立て替えます。帰国後にクレジットカード会社に請求することになりますので、医療費が高いと支払えないかもしれません。
 
一方で損害保険会社の保険では、自己負担なく治療を受けられますので、医療費の心配が少なくて済みます。
 

クレジットカード付帯保険の注意点とは?

大抵の場合、無料で利用できるクレジットカード付帯は、安く海外旅行に行きたい人にとって魅力的な選択肢です。
 
しかし、無料であることには理由があります。
 
クレジットカード付帯保険のみで海外旅行に行くことのリスクについて、正しく認識しておきましょう。
 

補償内容が充実していないことがある

クレジットカードの種類にもよりますが、一般的に付帯保険の補償内容は、損害保険会社の保険に劣ります。
 
多くの場合、病気死亡の補償がありませんので、海外旅行や出張中に亡くなっても、配偶者や子どもが保険金を受け取れません。ただし、生命保険でカバーできていれば、大きな問題にならないでしょう。
 
また、歯科治療費が含まれていません。
 
海外では歯科治療費が高額ですので、もしも歯医者に行きますと、高額の治療費がかかります。長期の海外旅行の場合、虫歯を治療してから旅行に行きましょう。
 
クレジットカードに付帯されていない補償は、損害保険会社の海外旅行保険に加入することも、検討の余地はあるといえるでしょう。
 

特定の条件を満たさないと付帯しない

クレジットカード付帯保険の「利用付帯」は、保険が適用される条件を満たしませんと、保険に加入していないことになります。
 
航空券やツアー代、旅行先の公共交通機関の支払いなどを、クレジットカードで行う必要があります。
 
また、クレジットカードによっては、出国前の交通費をクレジットカード決済することが条件になっています。
 
利用付帯の落とし穴は、利用付帯であることを知らないことです。クレジットカードを持っているだけで保険が適用されると思い込んでいて、帰国後に申請してから対象外であると気がつくことがあります。
 

自己負担金額が大きくなる

海外の医療費は日本と比べて、高額であることが珍しくありません。
 
例えばアメリカのニューヨークでは、初診料だけで2~4万円、盲腸で1~3日入院した場合、約186万~約538万円もの請求を受けるといわれています。
※1ドル135円で換算。
 
クレジットカード付帯保険は、保険金が100万~200万円であることが珍しくありません。これでは、高額な医療費をカバーしきれません。
 
慣れない海外で、事故や病気に遭遇する可能性は十分にあります。憂いなく旅行を楽しむためには、クレジットカード付帯保険では不足するかもしれません。
 

年会費が高いことがある

クレジットカードによって、付帯する保険の補償内容は異なります。
 
一般的に、年会費のかかるクレジットカードの付帯保険の補償内容は手厚く、無料のクレジットカードでは、補償内容が薄くなります。
 
補償内容が充実したクレジットカード付帯保険を望む場合には、年会費が予想以上に高くなることがあります。補償内容が通常の保険より薄いにもかかわらず、結果的に年会費が保険料を上回ることもあります。
 

クレジットカード付帯保険のリスクも認識し、しっかり備えておくことが大切

クレジットカード付帯の海外旅行保険は、加入手続きや月々の保険料の支払いがないことから、簡単に利用できる点が魅力です。
 
しかし、自分のクレジットカードに付帯しているのが利用付帯の場合は、航空券やホテルの代金などをクレジットカードで決済しないと、保険に加入していないことになってしまいます。
 
また、病気死亡の補償がないなど補償対象範囲の違いや、医療費の自己負担金額が大きくなる可能性にも注意が必要です。
 
損害保険会社が販売している海外旅行保険は、数百円から数千円で加入できるものもあります。
 
クレジットカード付帯保険で不足している補償だけ選択し、損害保険会社の海外旅行保険に入るのもよいでしょう。損害保険会社のプランの中には、クレジットカード付帯保険に上乗せできるものもあります。
 
クレジットカード付帯保険の内容をしっかり確認し、海外旅行を安心して楽しめるように備えてください。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集