更新日: 2022.08.27 医療保険
先進医療とは? 基本的な知識や重要性について解説
なんとなく聞いたことはあるものの、中身についてはよくわからないと思ってしまうこともあるでしょう。
本記事では、先進医療についてや、先進医療に対する基本的な知識や重要性を解説します。
執筆者:古田靖昭(ふるた やすあき)
二級ファイナンシャルプランニング技能士
先進医療とは
先進医療は、小泉政権下の2004年12月、厚生労働大臣と規制改革担当大臣との基本的な合意(いわゆる「混合診療」問題に係る基本的合意)に基づいて、国民の選択肢の拡充や利便性を向上する観点から、保険診療との併用を認めることになったものです。
先進医療は、2022年6月1日時点では83種類が確認されており、全額自己負担となります。
通常、保険適用があれば3割負担となり、医療費が高額になるものについては高額療養費制度が適用されます。しかし、先進的な医療技術となり保険の適用ができないため、全額自己負担で高額療養費制度も認められません。
なお、将来的な保険導入のために評価を行うものとしています。
先進医療を受けるには
先進医療を受ける場合、病院の手続きは一般の保険診療と同じで、健康保険や国民健康保険を窓口に提出します。一般の保険診療を受ける間に、患者が先進医療を希望し、医者がその必要性と合理性を認めた時に行われます。
先進医療を受ける際に、治療内容や必要な資料などを提示され、医療機関から説明を受けます。説明内容に納得すると、同意書に署名することで治療を受けられます。
先進医療の例
先進医療は、第2項先進医療(先進医療A)と第3項先進医療(先進医療B)の2つに分かれています。
先進医療には、がんの治療などに使われる「重粒子線治療」というものがあります。これは1件当たり約318万円かかるもので、年間約700件近くの患者が利用しています。
また、先進医療の実績として、2020年7月1日から2021年6月30日までの期間、83種類ある先進医療技術を5843人の患者が利用しています。
医療保険には先進医療特約がある
生命保険会社で販売している現在の医療保険は、「先進医療特約」が 付いており、その特約を付けているだけで、厚生労働省が認める83種類の先進医療を利用するとなった場合でも、医療保険の先進医療特約から給付金が得られるようになります。
先進医療特約は、医療保険やがん保険に付けることが可能です。しかし、1人の被保険者に対して先進医療特約やがん先進医療特約を重複して加入することはできないため注意が必要となります。
先進医療は、現在83種類ですが、その後先進医療から外れたものは給付金を受け取れません。先進医療を実施する場合、必ず加入している医療保険やがん保険の特約がこれから行おうとする先進医療が対応しているものかを見極める必要があります。
必ず先進医療特約を付けよう
先進医療は、高額なもので約300万円を超える治療があることを紹介しました。また、約5900人が年間に活用しています。
現在の医療保険に、もし「先進医療特約」が付いていない場合、特約自体の保険料は安く準備できるため、事前に特約を付けておくことをおすすめします。
もし先進医療特約を付けていなければ、先進医療を受けたいと思っても、全額自己負担となり、費用によっては諦めなければならないことも考えられます、
そのため、先進医療特約が現在の医療保険に付いているのかを確認し、必要があれば特約を付けたり、先進医療特約が付いている医療保険に加入したりすると良いでしょう。
出典
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士