更新日: 2022.08.31 その他保険

飲酒や喫煙の習慣、持病を隠して保険に加入すると……? 告知義務について解説

飲酒や喫煙の習慣、持病を隠して保険に加入すると……? 告知義務について解説
生命保険や医療保険の加入時、持病や過去の病歴、飲酒や喫煙の有無といった生活習慣などについて、保険会社から告知を求められることがあります。
 
その際、保険に入れない可能性があるかもしれないと持病や病歴を隠して保険に加入した後で、報告した内容に虚偽があることが発覚した場合はどうなるのでしょうか。保険における告知義務について解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

保険の告知義務とは

保険の告知義務とは、生命保険や医療保険へ加入の申し込みをする際に、保険の対象となる方や保険を契約する方の健康状態や病歴などを正しく、事実をありのままに保険会社に報告する義務のことです。
 
保険は多くの加入者から集めた保険料を原資として保険会社が運用し、原資と運用益を契約内容に従って保険金として支払います。集めた保険料と支払われる保険金のバランスが崩れると、保険は成り立たなくなってしまいます。
 
そのため、高齢の方、持病や過去にがんなどの大きな病歴がある方、飲酒・喫煙を習慣的に行っている方など、健康面においてリスクが高い方ほど保険料は高く設定され、加入時の審査も厳しくなります。
 
一方、若くて心身ともに健康、喫煙などの習慣や経験もなく、健康面でリスクが低い方は保険料が安く、加入もしやすくなっています。
 
なお、告知義務といっても口頭で告知を行うわけではなく、一般的には保険の申込時、契約書と併せて保険会社が提示する告知書の質問事項に従って、健康状態や生活習慣などについて回答を記載し、提出する形で行います。
 

告知義務において確認が必要となる内容

保険会社や加入する保険の種類によっても異なりますが、告知義務として保険加入希望者が告知を求められるのは、主に以下のような内容です。
 

●現在の健康状態、持病の有無
●過去の病歴
●直近の健康診断、人間ドックの結果
●喫煙や飲酒の有無
●障害の有無
●妊娠の有無

 
該当する項目があれば、それぞれ詳細に回答する必要があります。例えば、過去に病歴がある場合、いつごろ、どんな病気であるかなどです。なお、加入する保険によっては告知が必要な事項が異なることもあります。
 

告知義務に違反するとどうなる?

保険加入者が故意または重大な過失によって告知義務に違反すると、最悪の場合、保険会社から保険契約を解除されてしまいます。
 
契約が解除されると、既に支払った保険料は戻ってきませんし、保険金の支払い事由が発生していたとしても保険金は支払われません。ただし、解約返戻金がある保険の場合、その分については支払いを受けることが可能なケースもあります。
 

告知義務違反は発覚しなければセーフ?

多くの保険商品では約款において、告知義務違反を理由に保険会社が保険契約を解除できる期間は責任開始日から2年と定められています。そのため、告知義務違反があっても2年間隠せば問題ないと思う方もいるかもしれません。
 
しかし、告知義務違反を理由に2年間、契約が解除されなければ大丈夫というわけではありません。
 
例えば、詐欺ともいえるような明確な悪意があるなど、告知義務違反の内容が重大なものと判断されるような場合は、2年以上経過していても告知義務違反を理由に契約が解除されることがあります。
 
そもそもですが、告知義務違反は隠し通せるものではなく、基本的には発覚するものだと考えてください。保険会社は加入者の告知内容について一定の条件の下、事実確認と審査を行いますが、実際、そこで告知義務違反が判明するケースも少なくはありません。
 

保険に加入する際は持病や生活習慣などについて隠さず申告を


 
保険の加入に当たり、告知義務となる持病や病歴、生活習慣などについての報告は、保険会社が加入の可否や保険料などを決定する重要な要素です。
 
故意や重大な過失によって告知義務違反があると、保険金を受け取れなかったり、契約を解除されたりなど不利益となることがあります。
 
生命保険や医療保険に加入する目的をしっかりと果たせるように、健康状態などについてはうそや偽りなく、正確に回答するようにしてください。
 

出典

公益財団法人 生命保険文化センター 保険法の概要

明治安田生命 契約申込みにあたり告知をいただく内容(健康状態など)について

 
執筆者:柘植輝
行政書士

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