更新日: 2022.09.06 医療保険

新型コロナは自宅療養でも医療保険を請求できる?

新型コロナは自宅療養でも医療保険を請求できる?
なかなか収束しない新型コロナウイルス。最近は病院のひっ迫を防ぐため、若くて軽症の人なら自宅での療養を勧められるケースも多いようです。
 
民間の医療保険に加入している人は、自宅療養でも入院給付金を請求することができるのでしょうか。
馬場愛梨

執筆者:馬場愛梨(ばばえり)

ばばえりFP事務所 代表

自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。

過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。

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新型コロナは民間の医療保険の対象になる

通常、新型コロナで入院した場合は、医療保険の入院給付金の対象になります。
 
自宅療養や宿泊療養などの場合も「みなし入院」とされ、同じように入院給付金を請求できます。病院側の事情で当初より入院日数が短くなっても「みなし入院」として、当初予定していた入院日数分の給付金が受け取れるケースもあります。
 
都道府県によっては、医療機関にかからずに無料検査で陽性になった人などを対象に「自主療養」として届け出る対応などを行っています。医療機関での確定診断がない状態ですが、この場合も保険会社によっては給付金の対象になります。神奈川県の公式サイトには、自主療養で発行される「療養証明書」に対応している保険会社の一覧が公開されています。
 
入院だけでなく、医療保険の契約が「通院給付金」を受け取れるものなら新型コロナで通院しても対象になる可能性が高いです。オンライン診療や電話診療など、病院まで出向いていなくても受け取れることがあるので、加入している保険会社に問い合わせ、忘れずに請求するようにしましょう。
 
同様に、「死亡保険金」が受け取れるものなら新型コロナで亡くなった場合も対象です。
 
新型コロナの医療費は、現時点では公費負担となっています。そのため保健所が入院勧告したり自宅療養や宿泊療養を認めたりした場合、その期間中の医療費はかかりません。しかし、たとえ医療費の負担がなくても、医療保険の給付は受けられます。
 

自宅療養でもOK!ただし証明書の提出が必要

自宅療養でも医療保険の対象ですが、ただ自宅にいるだけではなく「コロナ陽性によるみなし入院」であることを証明する必要があります。保険会社にもよりますが、例えば以下のような書類の提出を求められます。

*就業制限通知書、就業制限解除通知書
*協力要請通知書
*宿泊・自宅療養証明書
*入院勧告書
*「My HER-SYS(マイハーシス)」の診断年月日が記載されたスクリーンショット など

「My HER-SYS(マイハーシス)」は厚生労働省のシステムで、コロナ陽性になった本人が自分の健康状態などを入力するものです。証明書類は病院、保健所、自治体などが発行しています。
 
療養期間が「12日以上」「14日以上」など一定以上に長くなると、必要な証明書が変わる場合もあります。保険会社に確認して確実に書類をそろえましょう。受け取った証明書類を紛失せず、きちんと保管しておくことも忘れないようにしましょう。
 

感染拡大で保険の受付停止や契約制限も

保険は「保険料を支払う人」と「保険金(給付金)を受け取る人」のバランスが崩れると成り立たなくなります。「第7波」ともいわれる感染拡大の影響で、新規契約受付停止になったり契約制限を設けたりする保険会社も出てきました。
 
例えば、損保ジャパンがPayPayを通して提供する「コロナお見舞い金」は、その名のとおり新型コロナに特化した保険ですが、2022年8月時点では申し込みができない状態になっています。すでに加入している人は満期まで保障が続きますが、更新(継続)はできません。
 
また最近は「濃厚接触者になったあとで医療保険に加入して、その後陽性になり入院給付金を請求する」「保険加入後、陽性の判定が出るまで無料検査を受け続ける」といった人もいるようです。
 
ずっと健康で保険料を支払い続けている人と、加入したばかりでまだほとんど保険料を支払っていないのに給付金を受け取る人との間で不公平が生じることを防ぐため、新規契約を制限したり入院給付金の金額を下げたりする措置を取る保険会社も出始めました。
 
今後、第7波が続くのか収まるのか第8波が来るのかわかりませんが、保険は常に状況に合わせて変化していきます。今後加入を考えている人も請求しようとしている人も、各保険会社が発表する最新の情報を確認するようにしましょう。
 

まとめ

新型コロナで自宅療養になっても、医療保険の給付金は請求できます。病院に行っていなくても対象になる場合もありますので「もしかして受け取れるかも……?」と少しでも思ったら、気軽に加入している保険会社に問い合わせてみましょう。
 
保健所などが発行する証明書類を用意して、請求書に記入して郵送するのが基本的な請求手続きの方法です。保険は原則3年以内に請求すれば問題ありませんので、体調が回復してからでも間に合いますよ。
 

出典

大阪府 ホームページ/「医療費公費負担」とは
厚生労働省 新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)
神奈川県 療養証明書(自主療養専用)に対応している保険会社一覧
paypay保険 ホームページ
損害保険ジャパン ホームページ
 
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表

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