更新日: 2022.10.24 その他保険
「高額療養費制度があるから大丈夫」それって本当? 対象になる費用とならない費用はどんなもの?
しかし本当に、高額療養費制度があれば、医療費が高くつく心配はないのでしょうか?
本記事では、高額療養費制度の内容や、制度で対象になる費用とならない費用について詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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そもそも高額療養費制度とは
高額療養費制度とは、病院などの医療機関や薬局などで支払う医療費が高額になったときに、自己負担を減らせる公的医療保険制度です。
1ヶ月の医療費の合計が上限額を超えると、超えた額だけ後日、払い戻しが受けられます。1ヶ月の医療費とは、その月の1日~末日までにかかった金額です。医療機関や薬局を複数利用している場合は、すべての窓口で支払った医療費を合算できます。そのほか、同じ世帯で同じ医療保険に加入している人にかかった医療費も合算可能です。
また、高額療養費の上限額は、医療保険の加入者の年齢や所得によって大きく異なります。上限額に達した回数が過去12ヶ月以内に3回以上あった場合は、4回目から「多数回」という扱いになり、さらに上限額が下がって自己負担が下がる仕組みです。
通常、高額療養費制度を利用する場合、自分が加入している公的医療保険に自ら支給申請書などを提出して申請しなければなりません。しかし、中には本人からの申請の必要がなく、自動的に高額療養費の振り込みをしてくれるところもあります。
一方、入院などが続き、医療費が上限を超えると事前に分かっているような場合は、事前に限度額適用認定証の交付を受けておくと便利です。医療費の支払いの際に限度額適用認定証を提示すれば、上限額を超える分を窓口で支払わずに済みます。
高額療養費制度の対象になる費用とならない費用
高額療養費制度の利用を考えているなら、事前に確認しておきたいのが、申請する医療費の内容です。病気やけがなどでかかったすべての費用が、高額療養費制度の対象となるわけではありません。
まず、基本として高額療養費制度の対象となるのは、「保険適用となる診療にかかった自己負担額」です。例えば、診察料や治療に必要となった薬剤費、手術費や入院費用などは保険が適用されるため、高額療養費制度の対象となります。
一方、個室などに入院することでかかった差額ベッド代や、先進医療を受けることで必要となった費用などは保険適用外となるため、高額療養費制度を利用できません。
ちなみに、「先進医療」とは、厚生労働省が認めた一般の水準を超える高度な技術によって行う医療です。
さらに、入院に際して必然的にかかる費用とはいえ、通常生活でも必要となる食費は高額療養費制度の対象外となります。そのほか、入院中に使うパジャマや洗面用具の購入費、テレビの視聴料金、入院の付き添いや面会のための家族の交通費なども、すべて自己負担です。
高額療養費制度は便利な制度! ただしある程度の備えは必要
高額療養費制度は、医療費が高額になったときに自己負担を抑えられる便利な制度です。
しかし、長期入院が必要となった場合は、食費やテレビの視聴料金、そのほか病院での生活にかかるさまざまな費用を、自己負担しなければなりません。また、高度な先進医療を受けたい人や、大部屋への入院が苦手な人なども制度を利用できない分、予想以上に費用が高くなる可能性があります。
そのため、高額療養費制度があるからと安心せず、万が一のときに向けて、ある程度の備えはしっかりとしておきましょう。
出典
厚生労働省 高額療養費制度について
厚生労働省 高額な外来診療を受ける皆さまへ
厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)
e-Gov法令検索 健康保険法
厚生労働省 保険診療の理解のために【医科】(平成30年度)
厚生労働省 先進医療の概要について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部