がん保険の種類は大きく分けて2種類? どのように選べばいい?

配信日: 2022.11.08

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がん保険の種類は大きく分けて2種類? どのように選べばいい?
がん保険とひと口に言っても、さまざまなタイプの商品があります。がん保険は、がんと診断された時に500万円や1000万円といったまとまったお金(=一時金)を受け取ることができる「一時金タイプ」と、入院や抗がん剤投与などの治療の実績に基づいて給付金を受け取ることができる「実績タイプ」に大別されます。
(注:「実績タイプ」は本稿での呼び名で、正式名称等ではありません)
 
「実績タイプ」の商品にも一時金が付いている商品もあります。しかし、「実績に基づいて給付金を受け取る」のがメインだと思いますので、ここでは「実績タイプ」とします。
 
本稿では、「一時金タイプ」と「実績タイプ」の特徴を見ながら、がん保険の選び方を考えてみましょう。
大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

がん保険のタイプは大きく分けて2種類

がん保険を検討・契約する時、さまざまな状況を想定して「一時金タイプ」と「実績タイプ」の両方を契約すると安心だと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、備える必要があるのはがんだけではありませんので、がん保険だけで多額の保険料を払い続けるのも現実的ではないでしょう。
 
もし、「一時金タイプ」と「実績タイプ」のどちらかを選んで契約するとしたら、どちらを選択するべきなのでしょうか?
 

「一時金タイプ」のがん保険

「一時金タイプ」のがん保険は、がんと診断されただけで一時金を受け取ることができ、治療の実績は不要です。一時金は非課税ですので、確定申告は不要です。また、受け取った一時金の使い道の制限はありませんので、受け取った一時金をがんの治療費以外に使うこともできます。
 
筆者の相談者さまのなかで、「一時金タイプ」のみのがん保険を契約していた方のお話によると、「一時金が入金された時には、当面の治療資金などに充てられるため、自分も家族も安心することができました。仕事を休職していて収入が激減していたためです。しかし、入金した一時金は治療が長引くことで当然減っていきますので、以後の治療や生活に不安が残りました」とのことです。
 
「一時金タイプ」のがん保険だけを契約する場合、がんになった時に受けられる一時金は、その後の治療や生活のことも考え、計画的に利用していくとよいでしょう。
 

「実績タイプ」のがん保険

一方、「実績タイプ」のがん保険に契約しているご相談者さまのお話によると、「がんと診断されただけでは給付金を受けられないので、その時は今後の治療や治療期間、それに伴う費用などの心配はありました。しかし、入院や通院の都度給付金をもらえるので、費用に対する不安は減っていったと思います」とのことでした。
 
入院給付金や通院給付金は、入院・通院のたびに給付金を受けられるため、がんと診断された時はその後のイメージがつきづらいかもしれません。しかし、入院・通院が発生するたびに給付金が受けられるため、費用計画が立てやすく、治療中の費用面の不安は軽減されるかもしれません。
 

がん保険は必要保障額を見積もれない?

生命保険を契約する場合には、万一が起きたときの遺族の収支を基に必要保障額をシミュレーションして保険金額を決めます。しかしがんの場合、部位やステージによっても治療費が異なりますので、生命保険のような必要保障額のシミュレーションは難しい傾向にあります。
 
また、治療以外の費用に、例えば交通費やウィッグ等の衣装代、副作用への対応などの費用も掛かることがありますので、見積もりがより難しくなることがあります。
 

がん保険の契約前にしっかり検討を

がん保険を選ぶ際は、自分の状況や家庭環境などさまざまな視点から、「一時金タイプ」のみか、「実績タイプ」のみか、両方なのか、それともそもそもがん保険は必要なのか……しっかり比較・検討しましょう。
 
誰かの意見を聞きたいという方は、がん患者やお客さまの多数のケースを知っている保険募集人に相談するという選択肢もあります。がんの治療は「千差万別」といっても過言ではありませんので、さまざまなケースを想定して、比較・検討をすることをおすすめします。
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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