【お金を貯めるならどっち?】定期預金と貯蓄型保険。それぞれのメリットとデメリットは?
配信日: 2022.11.08
執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。
手軽に始められる定期預金
定期預金は銀行や信用金庫等で取り扱っている商品です。
店頭で直接、預け入れできるだけでなく、ネット銀行などでも取り扱いがあるため、身近な金融商品の1つといえるのではないでしょうか。
商品概要としては、あらかじめ決められた期間まで預金を続けたときには、当初、約束した金利が支払われるというものです。ただし、約束した期日よりも前に解約してしまったときには、約束した金利以下の利息が支払われることになっています。
では、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
箇条書きでまとめましたので、確認してください。
●元本が保証されているため、安心して利用できる
●気軽に始められ、預け入れた分は必ず返ってくる
●商品の仕組みが分かりやすい
●指定された期間前に解約すると、ペナルティーとなりその分金利は低くなる
●一定期間金利が固定されるため、金利上昇時にはその上昇分を享受できないこともある
●最近では普通預金と定期預金の金利が同じことも多く、メリットが得られないことがある
積み立てた以上にリターンが得られる? 貯蓄型保険
例えば掛け捨て保険の場合、保険期間が終了しても何も戻ってきませんが、貯蓄型保険の場合には、決められた保険金がかえってきます。
貯蓄型保険は、保険という名前からも分かるように、保険期間中に所定の身体状態になってしまったときには保険金が支給されます。もちろん、満期になったとき(満期のある保険の場合)には、満期保険金をもらうことができます。
主な貯蓄型保険は、終身保険、養老保険、学資保険、個人年金保険、変額保険、外貨建て保険などです。
では、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
箇条書きでまとめましたので、確認してください。
●掛け捨てにならない
●満期金は決められた金額がもらえるため、お金の使い道や計画を立てやすくなる
●外貨建て保険の場合などは、解約返戻金を差し引いても、金利と為替差益でそれ以上になるケースがある
●受け取れる金額は、積み立てた金額よりも少なくなる
●解約した場合、戻ってくる金額は掛け金以下になることが多い
●外貨建ての場合、為替の動向によって、元本割れすることがある
貯金は三角、保険は四角
金融関連の有名な言葉に、「貯金は三角、保険は四角」というものがあります。これは、お金が得られるパターンを簡単に言い表したものです。
そもそも貯金(この場合は定期預金と考えます)は、自ら貯めて行くことで残高が増えていきます。徐々に残高が増えていくことから、貯金は三角といわれています。
一方の保険は、保険の契約が成立したときから、保証期間内の保険金が決まっており、万一のときには、約束された保険金が支払われるようになっています。最初からもらえる保険金は一定のため、保険は四角といわれているのです。
とはいえ、貯蓄型の保険は元気なうちに受け取ることが前提の商品です。デメリットでもふれましたが、途中で解約したときには、手にできる金額は支払った保険金以下になってしまうことがほとんどです。
金融商品には、それぞれ特徴があります。
あくまでも貯蓄が目的であるなら、中途解約でもペナルティーのない定期預金で貯めるとよいでしょう。もちろん、保障がほしいときには、貯蓄型保険を検討してもよいでしょう。
何事にも適材適所があります。お金を貯める目的を明確にし、どの金融商品で貯めるのかを決めていくことが大切なのです。
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト