10月から改正! 健康保険・厚生年金保険が適用される「短時間労働者」とは?
配信日: 2022.11.24
そこで、どのような短時間労働者が適用になるのかを解説します。あわせて適用されることによって得られるメリットも紹介していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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2022年10月からの改正点とは?
2022年10月1日から法改正によって健康保険や厚生年金保険の適用範囲が拡大されました。変更された適用要件は2点です。1点目が「特定適用事務所」の要件です。2022年9月末日までは従業員501人以上の勤め先でないと適用外でした。しかし、2022年10月1日からは従業員数101人以上の勤め先が適用されることになったのです。
2つ目が「短時間労働者」の適用要件です。2022年9月末日までは雇用期間が1年以上見込まれなければ適用外でした。しかし、2022年10月1日からは雇用期間が2ヶ月を超えて見込まれれば適用されることになりました。
健康保険や厚生年金保険に加入するには「従業員数101人以上の勤め先であること」「雇用期間が2ヶ月を超えて見込まれること」以外にも、「労働時間が週20時間以上であること」「賃金が月8万8000円以上であること」「学生ではないこと」という適用要件があります。これら3点については、従来どおりで変更はありません。
ちなみに、2024年10月からは「特定適用事務所」の要件が「従業員数101人以上の勤め先」から「従業員数51人以上の勤め先」に変更されます。さらに、適用範囲が拡大されて、健康保険や厚生年金に加入できる短時間労働者は増えるでしょう。
健康保険・厚生年金保険適用のメリットとは?
健康保険・厚生年金保険に加入すると、保険料の半分は会社が負担することになります。そして、残り半分は給与から天引きされます。手取りが減ることで、デメリットに感じる人もいるかもしれません。
しかし、国民健康保険・国民年金から健康保険・厚生年金保険に切り替わることで、次の4つのメリットがあります。1つ目は「老齢年金」の充実です。厚生年金に入ることで、老後は基礎年金に上乗せして報酬比例部分も受け取ることができるにようになります。
2つ目は「障害年金」の充実です。国民健康保険・国民年金では1級・2級という重い障がいの方しか障害年金を受け取ることができませんでした。しかし、3級の障害厚生年金、障害手当金も受け取れるようになります。
3つ目が「遺族年金」の充実です。遺族基礎年金に遺族厚生年金を上乗せして、受け取ることができます。4つ目が「健康保険」の充実です。病休期間中、産休期間中も給与の3分の2が支給されることになるのです。
「特定適用事務所」「短時間労働者」の適用要件が変更!
2022年10月から、健康保険・厚生年金保険に加入できるパートやアルバイトなどの短時間労働者が増えました。今回の改正によって、自分自身が適用されたのかどうか把握しておきましょう。あわせて、給与から天引きされる保険料の額をはじめ、将来受け取ることができる老齢年金がどのように変わるのか、確認することをおすすめします。
出典
日本年金機構 令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト パート・アルバイトのみなさま
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部