会社員のメリットは「社会保険料」の支払いにある!? 企業が従業員に「年収以上」にかけるお金について解説
配信日: 2022.12.06
しかし、企業は従業員の「社会保険料」を支払っています。会社員などで社会保険料を自身で納めない場合、つい忘れがちになってしまうかもしれませんが、これは会社員であることのメリットでもあります。
本記事では、会社が支払っている従業員の社会保険料について解説します。社会保険料の仕組みに注目しながら解説するので、参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
会社員は社会保険に加入する
会社員は、原則、社会保険に加入します。社会保険とは、疾病や高齢、介護、失業、労働災害などに備える公的な保険です。会社員が加入する社会保険は以下の通りです。
●健康保険
●介護保険(40歳以上)
●厚生年金保険
●雇用保険
●労災保険
会社が保険料支払いなどの手続きを行ってくれるので、普段これらの社会保険に加入していることを意識する機会は少ないかもしれませんね。
社会保険料は従業員と会社が負担する
社会保険料は、従業員と会社が負担します。保険料の一部を会社が負担してくれるため、従業員は保険料の負担を抑えることが可能です。
個人事業主やフリーランスは保険料全額を自分で納める必要があるため、会社も社会保険料を負担してくれることは会社員のメリットと言えます。
健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料は労使折半
健康保険料と介護保険料、厚生年金保険料は、会社と従業員が半分ずつ負担します。年間保険料が100万円であれば、50万円を会社が負担し50万円を従業員が負担する仕組みです。
普段給与から天引きされている健康保険料と厚生年金保険料は、従業員負担分の保険料となります。
雇用保険料は会社負担が大きい
雇用保険料は会社の負担が大きいです。事業の種類にもよりますが、一般の事業の場合、従業員負担:会社員負担=1:1.7の割合で負担します。年間保険料が6万7500円の場合、従業員負担は2万5000円、会社員負担は4万2500円です。そのため、従業員の負担はかなり軽減されます。
労災保険料は全額会社負担
労災保険料は、会社が保険料の全額を負担します。年間保険料が1万5000円の場合、従業員の負担はなく、会社が1万5000円全額を負担する仕組みです。そのため、従業員は全額会社負担で労災保険への加入が可能です。
年収ごとの会社の社会保険料負担額一覧
会社は従業員が加入する社会保険料をいくら負担しているのでしょうか? 年収ごとに、会社が負担する社会保険料の目安を紹介します。中小の不動産会社勤務の35歳東京在住サラリーマンで、生命保険や地震保険未加入、住宅ローンは利用していないケースが前提です。シミュレーション結果は図表1の通りです。
図表1
年収 | 会社が負担する社会保険料 (目安) |
合計 |
---|---|---|
300万円 | 46万円 | 346万円 |
400万円 | 61万円 | 461万円 |
500万円 | 73万円 | 573万円 |
600万円 | 89万円 | 689万円 |
700万円 | 105万円 | 805万円 |
800万円 | 118万円 | 918万円 |
900万円 | 123万円 | 1023万円 |
1000万円 | 129万円 | 1129万円 |
筆者作成
図表1の通り、会社負担の社会保険料は多額となり、年収以上に従業員に対してお金をかけていることがわかります。
社会保険料は従業員が上げた売り上げなどを源泉とし支払われているため、会社が社会保険料を負担してくれていると考えるのはおかしいかもしれませんが、年収以上に従業員にお金をかけていることに間違いはないでしょう。
会社員は保障が手厚い
会社員は、社会保険料の保障が手厚いです。自営業者やフリーランスと比較し、保険料の負担だけでなく、健康保険や年金の保障内容も会社員の方が充実しています。働き方が多様化する中で会社員以外の働き方も増えてきていますが、働き方を考える際には、ぜひ社会保険の保障の違いにも注目してみてください。
出典
厚生労働省 令和4年度雇用保険料率表のご案内
厚生労働省 労災保険率表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部