国民健康保険料の上限が2年連続引き上げ。年収への影響と支払えない場合は?

配信日: 2022.12.11

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国民健康保険料の上限が2年連続引き上げ。年収への影響と支払えない場合は?
日本ではすべての国民が何らかの公的医療保険に加入する国民皆保険制度を取り入れており、原則3割の自己負担で病院を受診できます。数種類ある健康保険のなかで、自営業者やフリーランス、退職者などが主に加入するのが国民健康保険です。国民健康保険料の上限額が2年連続で引き上げられ、不安を感じている人も多いでしょう。
 
本記事では、国民健康保険料引き上げによる年収への影響と支払えないときの対策について紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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国民健康保険料の算出方法

国民健康保険の保険料はどのようにして決まるのか、まずはその仕組みを理解しておきましょう。国民健康保険料は、「医療分」「後期高齢者支援金分」「介護分(40歳以上65歳未満のみ)」で構成されています。それぞれの保険料の負担分は次の項目から計算します。

●所得割:前年度の所得に応じて計算
●均等割:すべての人が均等に負担する金額
●平等割:世帯ごとに均等に負担する金額
●資産割:世帯員の固定資産税額に応じて負担する割合

項目ごとの料率、平等割や資産割を含めないなど計算方法が異なるため、住んでいる自治体ごとに保険料の額が変わります。
 

国民健康保険の上限率引き上げ額と年収への影響

高齢化に伴う医療費の増大に対応するため、国民健康保険料の上限額は2022年度に3万円引き上げられ、2023年度にさらに2万円引き上げて年間で104万円とする方針が固まっています。これだけ聞くと、保険料の負担増を強く感じますが、加入者全員が影響を受けるわけではありません。目安として、単身世帯で年収1140万円以上が影響を受けます。
 
年収1000万円以上の世帯は納税額も多く、児童手当の対象外となるなど、さまざまな制度の所得制限にかかりやすくなるため、何かと負担が増える年収ラインです。また、上限率引き上げの影響を受けないとはいえ、国民健康保険の保険料は、会社員が加入する健康保険とは異なり会社との折半がありません。そのため、保険料の高さを強く感じる人も多いのです。
 

国民健康保険料の負担軽減策と支払えないときの対策

国民健康保険料の負担が大きいときは、保険料を軽減してもらえる制度の利用を検討してみましょう。
 
例えば、自己都合ではなく会社都合で退職した場合、新型コロナウイルス感染症などの影響によって主な生計維持者の事業収入や給与収入が一定割合減少した場合など、国民健康保険料の減免が認められることがあります。保険料負担の軽減について詳しく知りたいときは、自治体の窓口に聞いてみるのがおすすすめです。
 
国民健康保険料を支払えなくなったときは、住んでいる自治体の窓口に相談しましょう。各自治体によって国民健康保険料の減免制度が設けられています。会社の倒産や家族の病気など、被保険者の事情に応じて減額や免除の措置を検討してもらえます。保険料の支払いが難しくなったときは、そのまま放置せずできるだけ速やかに自治体の窓口に相談することが大切です。
 

上限引き上げの影響は高年収世帯に! 支払えないときは早めの相談を

国民健康保険料の上限が2年連続で引き上げられましたが、その影響を強く受けるのはごく一部の高年収世帯です。もし、事情により国民健康保険料の支払いが厳しくなったときは、減免や免除の措置を受けられることがあります。そのまま放置することなく、できるだけ早めに住んでいる自治体の窓口に相談することをおすすめします。
 

出典

厚生労働省 国民健康保険制度
東京都福祉保健局 保険料額について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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